【レポ】純利益900倍達成の『スノーピーク』新社長にスタバ元CEO、バディ経営体制へ。画期的テントや新アパレルも発表

更新日:2025/10/01 20:13
アウトドアブランドの『株式会社スノーピーク』は2025年10月1日付で、新たな経営体制を発表。代表取締役会長に山井太氏、代表取締役社長に水口貴文氏が就任。また、新体制後の事業戦略も発表された会見の模様をお届けします。

バディ経営でさらなる飛躍へ

Retina img 2513
山井太氏
今回行われた記者会見で、『スノーピーク』代表取締役社長執行役員CEOを担っていた山井太氏が代表取締役会長執行役員CEOとCCO(チーフクリエイティブオフィサー)を兼任すること、そして、これまで社外取締役として『スノーピーク』の経営に携わっていた水口貴文氏が代表取締役社長COOとCBO(チーフブランディングオフィサー)を務めることが発表されました。
Retina img 2538
水口貴文氏
水口氏は、LVJグループ株式会社(現 ルイ・ヴィトン ジャパン株式会社)にてマーチャンダイジング担当副社長、ロエベジャパンカンパニー/ロエベジャパン韓国株式会社にてプレジデント&CEO、スターバックス コーヒージャパン株式会社にて代表取締役最高経営責任者(CEO)を歴任。
外資系企業で華々しい経歴を持つ水口氏が、国内の“モノづくり”企業に腰を据えた理由について、「若い頃から、いつかは日本のブランド、日本の価値観を世界に発信したいと思っていた」と話し、さらに「純粋に、スノーピークのミッションである『自然を通しての人間性の回復』にものすごく共感。こういう価値観をスノーピークというブランドを通じて世界に発信していくことの意味を大きく感じている」と述べました。
そしてこれからの新体制では、山井氏がブランドの哲学と創造性を担い、水口氏が経営と拡大戦略を推進するという二人三脚の形をとることに。
山井氏は「私がスノーピークを“尖らせ”、水口氏が“拡げる”。そうすることでブランドを深めていく」と表明しました。

スノーピーク大復活!ーー5つの成長戦略

Retina img 2508
2023年→2025年 業績着地
2023年にマネジメント・バイアウトを行った同社は、国内外の改革を経て2025年には売上250億円、営業利益13億円、純利益9億円と業績回復。
山井氏は「2023年は、いろいろ減損を行ったことで純利益100万円ということがセンセーショナルで記憶に新しいと思うが」と前置きし、「純利益は100万円から9億円、900倍になった」と強調。
2023年当時メディアで"スノーピークのキャンプは終わった"と言われていたことに対して、「今回は、スノーピークのキャンプ大復活!と必ず書いてもらいたい」と笑顔で話し、会場の笑いを誘う場面もありました。
そして新社長の水口氏から今後の成長戦略の説明があり、今後さらにエントランス(顧客接点)を拡充するために“変えていくこと”5つが発表されました。

①「エアフレームシェルター」の発売

キャンプデビューの障壁になっていた設営・撤収を容易にする、空気を注入するだけで簡単に設営できるテント「エアフレームシェルター」を2026年に発売。
これによりキャンプギア体験の深化・強化を図ります。

②新業態「スノーピークグラウンズ」を展開

日帰りでも自然と地域文化を楽しめる新業態のキャンプフィールド「スノーピークグラウンズ」を展開。
泊まらなくても楽しめるフィールド体験を提供します。

③北海道にて「キャンププラス」を展開

2026年北海道の空知川の最上流部にて、ラフティングやフライフィッシング、アウトドアサウナを楽しめるサービス「キャンププラス」を開始。
宿泊施設も用意され、遊んで泊まって自然をダイレクトに体験できる、未知なる体験価値を提供します。

④新概念のアパレルラインをスタート

アパレル業界に置ける世界的クリエイティブディレクターと、従来にない新しい概念のアパレルラインをスタート予定。
アパレルをキャンプギアと並ぶ『スノーピーク』のメインエントランスに。

⑤グローバルへの本格挑戦

現在30カ国に進出し、2024年にオープンした米ワシントン州ロングビーチのキャンプフィールドがTimes誌World Greatest Placesに選出、今年9月には韓国にて初の直営キャンプフィールドもオープンさせ、着実に海外展開を強化している同社。
その意欲を止めることなく、世界へ本格的に挑戦していきます。
尚、2026年には、ニューヨークとポートランドに次いで、米第3の拠点となる店舗をシアトルにオープン予定であることを発表。

日本発の自然観を、世界へ

Retina img 2625
山井氏は会見で、自身の原体験を交えながら「人間は自然の一部である」という日本的自然観の大切さを説き、さらに焚き火、花見、露天風呂といった日本文化の根底には自然とともに生きる感覚があり、その価値観こそが『スノーピーク』のものづくりに息づいていることを強調。
そして、「キャンプは単なるレジャーではない。人間らしさを取り戻し、人間性を回復する時間だ」と山井氏。「この哲学を日本から世界に発信する意味は大きい」と水口氏も応えます。
経営難を乗り越え、“純利益900倍アップ”という快挙を遂げた『スノーピーク』。最短で2027年末に再上場を目指すことも明かされました。
新体制のもとで掲げられた5つの戦略は、理想ではなく、「自然と人間性の回復」という理念を世界に広げるための挑戦。
創業家と外部経営者、異なるバックグラウンドを持つ二人のリーダーにより、『スノーピーク』はさらなる高みを志します。

東京都在住。趣味は美味しいものと旅行、現在薬膳を勉強中。

Ranking

【レポ】純利益900倍達成の『スノーピーク』新社長にスタバ元CEO、バディ経営体制へ。画期的テントや新アパレルも発表

【レポ】外こたつやキャンプおでんも!『アルペンアウトドアーズ』限定モデル&新作ギアを一挙発売

『ベルアメール』から新作「パレショコラサンド」誕生!秋冬限定スイーツが発売中

【レポ】行列必至!自由が丘に『アイムドーナツ?』&『ダコー』の新店が同時オープン

モンテローザが中国SNS「RED」公式アカウントを開設。訪日個人旅行客に向けて“日本の居酒屋体験”を発信