【レポ】保健室に行けない…ガマンしない生理へ!第一三共ヘルスケアが養護教諭とティーンの未来を考えるセミナーを開催

更新日:2025/08/25 16:13
第一三共ヘルスケアの『ロキソニン』が主催する「みんなの生理痛プロジェクト for TEEN」の養護教諭向けセミナー・ワークショップが、8月20日に都内某所で開催。全国の中学・高校の養護教諭が参加し、産婦人科医の高尾美穂先生が登壇しました。当日の様子をレポートします。

「生理痛はガマンするもの?」ーープロジェクトが伝えたいこと

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生理痛を経験する女性の約9割が、生理痛のときに何らかの「ガマン」をしている実態を受けて2023年3月にスタートした「みんなの生理痛プロジェクト」。
”みんなの”というプロジェクト名には、当事者だけでなく社会全体で生理痛に向き合えるように、という思いが込められています。
そして、ティーン世代がなるべく早い段階で生理・生理痛の正しい情報に触れることを目指し、翌3月より始まったのが「みんなの生理痛プロジェクト for TEEN」です。
生理痛について学び・考える授業やワークショップを実施するほか、生理・生理痛の保健教材を展開するなどさまざまな活動を行っています。

「保健室に行けない」「先生に相談しづらい」生徒たちのリアルな声

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今回のセミナー・ワークショップには、中学・高校の養護教諭が全国から参加。
ティーン世代の生理や生理痛に関する悩みや実態、学校生活に支障をきたすこともある生理痛や月経困難症、月経前症候群(PMS)の症状や対処法への理解を深め、生徒のサポートに活かすことを目的として行われました。
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第一三共ヘルスケアが実施した高校生対象のアンケートでは、「学校生活で生理痛をガマンしたことがある?」という問いに、96.7%もの生徒が「はい」と回答。
「お腹が痛くなっても保健室に行けない」「単位を取らなきゃだから休めない」といった声が寄せられたそう。
また、「学校内で生理や生理痛で困った時に、先生に相談しやすい環境だと思いますか?」という問いには、27.2%「あまりそうは思わない」、20.0%「そう思わない」、と半数近くの生徒が相談しづらいと感じていることがわかりました。

産婦人科医・高尾美穂先生が解説する生理痛と月経困難症

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セミナーに登壇した産婦人科医の高尾美穂先生は、生徒の生理や生理痛と向き合うためにまず知っておきたい、生理周期とホルモンの変化、月経前症候群(PMS)について説明しました。
特に、お腹が痛い、頭が痛い、胸が張る、イライラする、鬱っぽくなる......などといった不調が起こる月経前症候群(PMS)に関して高尾先生は、「この症状は生理がくるとだいぶ良くなる特徴があるため、ガマンして過ごす生徒がいてもおかしくない。そしてPMSに関しては何か検査をして異常が指摘されることが一切ないんです。だからこそ、PMSについて社会全体の共通理解として持つことが大切」と強調しました。
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そして、今回のセミナーの大テーマである生理・生理痛の話へ。
「生理や生理痛に関しては、月経前症候群(PMS)と比べると出血しているからすごくわかりやすいとも言えるわけです」と、高尾先生は生理痛が起こる仕組みを解説。
生理痛の痛みは、ドッジボールをズドンとお腹に受けたよう、ドリルでお腹に穴を彫られているよう......という風に痛みの程度や表現方法は人ぞれぞれだといいます。
「一方で、生理痛がツラいという状態はかつてからずっとあって、生理は病気じゃないからガマンしなさいという時代があった。でも、今は生活に支障が出るほどの状態であれば『月経困難症』という病名がつくようになりました。このことをぜひ知っていただきたいです」と話します。
月経困難症は検査をすることで異常がはっきりと指摘される場合があり、例えば子宮内膜症や子宮筋腫といった疾患があるとのこと。
特に子宮内膜症については、若い時期の重い生理痛は将来的に子宮筋腫を発症するリスクが高いことから、中高生と日々接する養護教諭へ早期発見・対応の重要性を説きました。

今日からできるセルフケア。薬との上手なつき合い方も紹介

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生理痛への対処法にも言及し、体を温める・ストレッチなどの軽い運動をする・適切なタイミングで市販薬を服用するなどの方法を紹介。
特に痛み止めの薬については、痛みが強くなる前に服用することが重要だそう。
「例えば、毎月生理痛がツラくて寝込むという場合は、残念ながら今月もまず重いです。それならば、生理が始まって少しお腹が痛いタイミングで薬を1錠目を飲んでみる。1日3回までの薬であれば、朝昼晩と丸2日くらい飲んでみる。これでまあまあ動けるかもよ、と話しています」と高尾先生は、薬を飲むことへの正しい理解を促します。
また、婦人科への受診も推奨。
婦人科はハードルが高いと感じる生徒もいるかもしれないが、まずは話を聞いてもらうだけでも十分な診察になると話しました。

「薬への抵抗感はどう対応する?」養護教諭の悩みへの答え

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会場に集まった養護教諭からの質問も受け付け、「生徒の親御さんが薬に対するハードルが高い場合もある。養護教諭としてどうアドバイスすれば良いでしょうか?」という質問がありました。
これに対し高尾先生は、「これは“あるある”の話ですね。婦人科でもある『ママブロック』『おばあちゃんブロック』と呼ぶことがあります。親世代は、ガマンやすぐに薬に頼らないという価値観。その価値観を理解した上で、保健だよりや学校掲示などで『痛みに対しては早めに対策を』など情報を発信し続けることが良いのではないでしょうか。生徒自身にも親御さんが反対することの時代的背景を伝えると、頭ごなしに反対しているわけじゃないとわかって安心できると思います」と回答しました。
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また、「近隣の産婦人科を知らず、生徒に受診を勧めることができません。どのように調べたら良いでしょうか?」という質問も。
これには、婦人科医師にも専門分野があると話す高尾先生。「婦人科の中でもホルモンを専門としている医師への受診がおすすめです。一般社団法人 女性医学学会が、女性ヘルスケア専門医・専門資格者一覧をまとめたサイトをつくっていますので、ぜひ参考にしてみてください」と答えるのでした。
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そしてセミナーの終わりには、「今後、養護教諭推してどういったものや、アクションがあると生理・生理痛について指導しやすいと思いますか?」というお題でグループディスカッションも実施。
生徒の健康を願い話し合う有意義な時間を持って、今回のセミナー・ワークショップは幕を降ろしました。

東京都在住。趣味は美味しいものと旅行、現在薬膳を勉強中。

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