ジャパンチケットが訪日外国人による「インバウンド飲食事前予約リサーチ2024秋」を公開
更新日:2024/10/27 21:50
インバウンド集客向けeチケット管理システムを展開している株式会社Japanticketが、2023年12月〜2024年7月にかけての「Japan ticket」利用データを分析。訪日外国人による飲食店の事前予約の動向を調査・考察する「インバウンド飲食事前予約リサーチ2024秋」を実施し、そこから分かった調査結果を公開しています。
台湾・香港・韓国・欧米豪・中国を対象にした、事前予約の動向比較調査を実施
多くの魅力ある日本の体験サービスをeチケット化し、世界中の外国人観光客が利用する海外プラットフォームや自社ホームページ/SNSで配信できるほか、予約管理・在庫管理・来店/実績管理・決済/入金管理を一元管理できるサービスを展開している、株式会社Japanticket。
インバウンド集客向けeチケット管理システム「Japan ticket」は、着地型観光商品として日本の飲食店やコンテンツをeチケット化しているため、訪日客が日本観光に求めているニーズを定量的なデータとして集計することが可能なのだとか。
そして今回は、2023年12月〜2024年7月にかけての「Japan ticket」利用データを分析し、台湾・香港・韓国・欧米豪・中国の5つの国・地域からの訪日外国人による飲食店の事前予約の動向を調査・考察する「インバウンド飲食事前予約リサーチ2024秋」を実施しました。
インバウンド集客向けeチケット管理システム「Japan ticket」は、着地型観光商品として日本の飲食店やコンテンツをeチケット化しているため、訪日客が日本観光に求めているニーズを定量的なデータとして集計することが可能なのだとか。
そして今回は、2023年12月〜2024年7月にかけての「Japan ticket」利用データを分析し、台湾・香港・韓国・欧米豪・中国の5つの国・地域からの訪日外国人による飲食店の事前予約の動向を調査・考察する「インバウンド飲食事前予約リサーチ2024秋」を実施しました。
事前予約のリードタイムは「台湾・香港>韓国・欧米豪・中国」の傾向に
図1:国・地域別リードタイムと平均泊数の比較
ここからは、この動向比較で分かった調査結果をご紹介します。
「Japan ticket」を利用した事前予約のリードタイム(予約日から利用日までの日数)については、国・地域ごとに比較すると、台湾が23.5日、香港が16.38日、韓国が11.75日、欧米豪が10.38日、中国が8.75日に。
このこととから、香港や台湾が20日前後と比較的長い傾向にあり、欧米豪や中国、韓国は10日前後と比較的短い傾向にあることがわかりました。
そして、グラフ内の「平均泊数」である各国籍・地域別の平均滞在期間(※1)と比較してみると、台湾や香港、韓国については平均泊数よりもリードタイムのほうが長いことから旅マエ予約が多く、欧米豪、中国については平均泊数よりもリードタイムのほうが短いことから、旅の直前や旅ナカでの予約が多いということが推察されます。
※1:観光庁統計「訪日外国人の消費動向」より弊社加工。
「Japan ticket」を利用した事前予約のリードタイム(予約日から利用日までの日数)については、国・地域ごとに比較すると、台湾が23.5日、香港が16.38日、韓国が11.75日、欧米豪が10.38日、中国が8.75日に。
このこととから、香港や台湾が20日前後と比較的長い傾向にあり、欧米豪や中国、韓国は10日前後と比較的短い傾向にあることがわかりました。
そして、グラフ内の「平均泊数」である各国籍・地域別の平均滞在期間(※1)と比較してみると、台湾や香港、韓国については平均泊数よりもリードタイムのほうが長いことから旅マエ予約が多く、欧米豪、中国については平均泊数よりもリードタイムのほうが短いことから、旅の直前や旅ナカでの予約が多いということが推察されます。
※1:観光庁統計「訪日外国人の消費動向」より弊社加工。
キャンセル率は「韓国>台湾・香港・中国>欧米豪」の傾向に
図2:国・地域別キャンセル率とリードタイムの比較
また、事前予約のキャンセル率は、国・地域ごとに韓国が39.46%、台湾が25.73%、香港が22.70%、中国が22.50%、欧米豪が8.36%となり、台湾、香港、欧米豪、中国についてはおおむねリードタイムが長いほどキャンセル率が高く、リードタイムが短いほどキャンセル率が低いという傾向が見られました。
その一方で、韓国についてはリードタイムが短いもののキャンセル率が高く、他国・地域とは異なる動向があることが分かります。
なお、Japanticketでは、事業者の機会損失リスクを回避する目的で、3日前までのキャンセルであれば、一部除き全額返金という制度を採用し、eチケットを活用して空席やキャンセルを管理することにより、利用者の利便性と事業者の業務効率を両立させているそうです。
その一方で、韓国についてはリードタイムが短いもののキャンセル率が高く、他国・地域とは異なる動向があることが分かります。
なお、Japanticketでは、事業者の機会損失リスクを回避する目的で、3日前までのキャンセルであれば、一部除き全額返金という制度を採用し、eチケットを活用して空席やキャンセルを管理することにより、利用者の利便性と事業者の業務効率を両立させているそうです。
平均単価は約5,400円から約7,000円まで約1.3倍に上昇
図3:国・地域別平均販売単価の推移
また、「Japan ticket」を利用した飲食eチケットの一人あたり平均販売単価は、2023年12月〜2024年7月にかけての8ヶ月間で、5,398円から7,002円まで約1.30倍に上昇。
国・地域別に見ても、全ての国・地域で多少の増減はありながらもおおむね上昇傾向にあることが確認でき、また、各国・地域ごとの平均値では中国からの訪日客の消費額が他の国・地域からの訪日客と比べて大きいことが伺えます。
これは円安や為替、日本国内でのインフレの影響もあると考えられますが、「Japan ticket」で販売しているeチケットの提供単価が同期間で大きく値上がりしているわけではないため、観光客1人あたりが飲食や体験に払う単価が上昇している傾向にあるといえるのだとか。
また、日本人が外食に支払う平均単価は2023年度(2023年4月〜2024年3月)において2,828円(※2)となっているため、日本人と比べて一人あたりの飲食消費額が大きい傾向にあることも推察されます。
※2:株式会社リクルートによるホットペッパーグルメ外食総研調べ(2023年度外食&中食動向)。
国・地域別に見ても、全ての国・地域で多少の増減はありながらもおおむね上昇傾向にあることが確認でき、また、各国・地域ごとの平均値では中国からの訪日客の消費額が他の国・地域からの訪日客と比べて大きいことが伺えます。
これは円安や為替、日本国内でのインフレの影響もあると考えられますが、「Japan ticket」で販売しているeチケットの提供単価が同期間で大きく値上がりしているわけではないため、観光客1人あたりが飲食や体験に払う単価が上昇している傾向にあるといえるのだとか。
また、日本人が外食に支払う平均単価は2023年度(2023年4月〜2024年3月)において2,828円(※2)となっているため、日本人と比べて一人あたりの飲食消費額が大きい傾向にあることも推察されます。
※2:株式会社リクルートによるホットペッパーグルメ外食総研調べ(2023年度外食&中食動向)。
Japanticketの担当者による解説はこちら
株式会社Japanticket 常務執行役員・インバウンドプロデューサーの藤倉正臣さんによる解説もご紹介。
今回明らかになった訪日客の「旅マエ」「旅ナカ」飲食予約に関する動向は、各国の文化的な背景や旅行に対する価値観の違い、日本に対する体験への姿勢が予約行動にも如実に現れていることを示唆しています。
各国・地域で特徴が見られますが、特に、韓国におけるリードタイムの短さと高いキャンセル率は、地理的な近さにくわえ、韓国で幅広く導入されている順番待ちシステムの影響が大きく、これらの要因により、日本への旅行を国内旅行のように気軽に計画し、キャンセル料の発生前であれば必要に応じて気軽にキャンセルするという行動パターンが存在していると考えられます。
また、2024年7月に円安がピークを迎えたことは、インバウンド消費に大きな影響を与えたと考えられますが、「Japan ticket」経由の飲食消費単価の上昇は為替レートの上昇幅を上回っており、訪日消費が活性化していることを示す重要な指標です。
この事実は、円安という外部要因だけでなく、日本の観光の魅力が消費者の購買意欲を刺激していることを裏付けています。
日本政府が2030年の目標として掲げる訪日外国人消費額15兆円の達成に向け、訪日外国人1人あたりの消費額増大を重要な課題と位置付け、付加価値の高い商品やサービスの開発に力を入れています。
Japanticketでは、これからもデータ分析やインバウンド市場の動向調査を継続し、データドリブンマーケティングを推進することで、より精度の高い市場予測と効果的なマーケティング戦略の立案を目指してまいります。
出典元:株式会社Japanticket
今回明らかになった訪日客の「旅マエ」「旅ナカ」飲食予約に関する動向は、各国の文化的な背景や旅行に対する価値観の違い、日本に対する体験への姿勢が予約行動にも如実に現れていることを示唆しています。
各国・地域で特徴が見られますが、特に、韓国におけるリードタイムの短さと高いキャンセル率は、地理的な近さにくわえ、韓国で幅広く導入されている順番待ちシステムの影響が大きく、これらの要因により、日本への旅行を国内旅行のように気軽に計画し、キャンセル料の発生前であれば必要に応じて気軽にキャンセルするという行動パターンが存在していると考えられます。
また、2024年7月に円安がピークを迎えたことは、インバウンド消費に大きな影響を与えたと考えられますが、「Japan ticket」経由の飲食消費単価の上昇は為替レートの上昇幅を上回っており、訪日消費が活性化していることを示す重要な指標です。
この事実は、円安という外部要因だけでなく、日本の観光の魅力が消費者の購買意欲を刺激していることを裏付けています。
日本政府が2030年の目標として掲げる訪日外国人消費額15兆円の達成に向け、訪日外国人1人あたりの消費額増大を重要な課題と位置付け、付加価値の高い商品やサービスの開発に力を入れています。
Japanticketでは、これからもデータ分析やインバウンド市場の動向調査を継続し、データドリブンマーケティングを推進することで、より精度の高い市場予測と効果的なマーケティング戦略の立案を目指してまいります。
出典元:株式会社Japanticket