火災保険の値上げ幅は食料品超え?!ソニー損保が値上げ幅が大きい食料品トップ10を公開
更新日:2024/04/30 11:05
ソニー損保が、2021年頃から始まった“値上げラッシュ”を受け、実際にどの分野・品目がどのくらい値上げされたのか、総務省が公表している消費者物価指数をもとに、値上げの主な原因を振り返り。その結果判明した、特に値上げ幅が大きかった食料品TOP10と火災保険の参考純率の引き上げ幅を比較したインフォグラフィックを公開しています。
値上げラッシュの原因は?ソニー損保が最も値上げ幅が大きかった食料品のTOP10を公開
ソニー損保が、2021年頃から始まった“値上げラッシュ”を受けて、実際にどの分野・品目がどのくらい値上げされたのか、総務省が公表している消費者物価指数をもとに振り返り、特に値上げ幅が大きかった食料品TOP10を公開しました。
2024年1月19日、総務省統計局によって発表された「2020年基準 消費者物価指数 全国 2023年(令和5年)平均」(※1)によると、2023年の消費者物価指数(2020年を100とした場合)の総合指数は、値上げラッシュ開始前と比較して、年間平均105.6と5.0%以上の値上げ幅となっていることが判明。
前年比でも3.2%と指数が上昇となった要因は、原材料価格の高騰に加えて円安の影響が重なったことで、食料品の値上げが相次いだことが考えられるのだとか。
そして、10大費目(食料/住居/光熱・水道/家具・家事用品/被服及び履物/保健医療/交通・通信/教育/教養娯楽/諸雑費)のうち、前年比較で最も上昇したのは「食料」で8.1%の上昇に。
ここでは、家計に最も密接である「食料」の費目から、実際にどのような分野・品目が値上げとなったのか、またその要因についてもインフォグラフィックとともに解説していきます。
※1:総務省「2020年基準 消費者物価指数 全国 2023年(令和5年)平均」 https://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/nen/index-z.html
2024年1月19日、総務省統計局によって発表された「2020年基準 消費者物価指数 全国 2023年(令和5年)平均」(※1)によると、2023年の消費者物価指数(2020年を100とした場合)の総合指数は、値上げラッシュ開始前と比較して、年間平均105.6と5.0%以上の値上げ幅となっていることが判明。
前年比でも3.2%と指数が上昇となった要因は、原材料価格の高騰に加えて円安の影響が重なったことで、食料品の値上げが相次いだことが考えられるのだとか。
そして、10大費目(食料/住居/光熱・水道/家具・家事用品/被服及び履物/保健医療/交通・通信/教育/教養娯楽/諸雑費)のうち、前年比較で最も上昇したのは「食料」で8.1%の上昇に。
ここでは、家計に最も密接である「食料」の費目から、実際にどのような分野・品目が値上げとなったのか、またその要因についてもインフォグラフィックとともに解説していきます。
※1:総務省「2020年基準 消費者物価指数 全国 2023年(令和5年)平均」 https://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/nen/index-z.html
特に値上げ幅が大きかった分野の値上げの要因は!?
「食料」の項目のうちどの分野の値上げ幅が大きかったのか、2020年を100とした場合の2023年12月の指数をもとにランキング化。
まず、上位5つを見てみると、1位は125.7で「魚介類」、2位は122.3で「乳卵類」、3位は120.0で「菓子類」、4位は117.5で「油脂・調味料」、そして5位は116.6で「調理食品」という結果となりました。
1位の「魚介類(+25.7%)」の主な品目は、まぐろやあじ、いわしなどの魚類、牡蠣やほたて貝などの貝類に加えて、かつお節や缶詰などの加工食品も含んでおり、農林水産省は、近年不漁が続くサンマやスルメイカは価格が上昇傾向にあると発表(※2)。
サンマは、2010年頃を境に漁獲量が減少してますが、これは地球温暖化によって海洋環境が変化し、サンマが東の沖合に移動したことが原因であることが調査(※3)から判明し、漁獲量減少が値上げにつながっているのだとか。
※2:農林水産省「令和4年度 水産白書 全文 第2章 我が国の水産業をめぐる動き」
https://www.jfa.maff.go.jp/j/kikaku/wpaper/R4/attach/pdf/230602-7.pdf
※3:国立研究開発法人 水産研究・教育機構「サンマの不漁要因解明について(調査・研究の進捗)令和5年4月」
https://www.fra.affrc.go.jp/pressrelease/pr2023/20230407_col/20230407col_press.pdf
まず、上位5つを見てみると、1位は125.7で「魚介類」、2位は122.3で「乳卵類」、3位は120.0で「菓子類」、4位は117.5で「油脂・調味料」、そして5位は116.6で「調理食品」という結果となりました。
1位の「魚介類(+25.7%)」の主な品目は、まぐろやあじ、いわしなどの魚類、牡蠣やほたて貝などの貝類に加えて、かつお節や缶詰などの加工食品も含んでおり、農林水産省は、近年不漁が続くサンマやスルメイカは価格が上昇傾向にあると発表(※2)。
サンマは、2010年頃を境に漁獲量が減少してますが、これは地球温暖化によって海洋環境が変化し、サンマが東の沖合に移動したことが原因であることが調査(※3)から判明し、漁獲量減少が値上げにつながっているのだとか。
※2:農林水産省「令和4年度 水産白書 全文 第2章 我が国の水産業をめぐる動き」
https://www.jfa.maff.go.jp/j/kikaku/wpaper/R4/attach/pdf/230602-7.pdf
※3:国立研究開発法人 水産研究・教育機構「サンマの不漁要因解明について(調査・研究の進捗)令和5年4月」
https://www.fra.affrc.go.jp/pressrelease/pr2023/20230407_col/20230407col_press.pdf
そして、2位の「乳卵類(+22.3%)」の主な品目は、牛乳・ヨーグルト・バター・チーズなどで、乳卵類に含まれる鶏卵の小売価格は、2023年10月時点で30ヵ月連続で前年同月を上回っているのだそう(※4)。
以前は、“物価の優等生”と呼ばれるほど価格変動が起こりにくいとされていた食品だったそうですが、養鶏飼料が近年大きく値上がりしたことにより値上げが続いてるそうです(※5)。
この養鶏飼料の多くは海外輸入に依存し、円安や海外情勢などの影響を受け、輸入価格が引き上げられ、養鶏飼料の値上げにつながり、それらが鶏卵価格に反映。
また、鶏卵の選別やパック詰めに使う機械を動かすための電気代や燃料代などのエネルギー価格が上昇していることも一因となっています。
※4:独立行政法人 農畜産業振興機構「畜産の情報鶏卵卸売価格、3カ月連続で200円台で推移」
https://www.alic.go.jp/joho-c/joho05_002996.html
※5:農林水産省「フェアプライスプロジェクト 2023年8月18日生産者インタビュー動画(卵)を公開しました。」
https://www.maff.go.jp/j/shokusan/fair-price-project/category/egg/
以前は、“物価の優等生”と呼ばれるほど価格変動が起こりにくいとされていた食品だったそうですが、養鶏飼料が近年大きく値上がりしたことにより値上げが続いてるそうです(※5)。
この養鶏飼料の多くは海外輸入に依存し、円安や海外情勢などの影響を受け、輸入価格が引き上げられ、養鶏飼料の値上げにつながり、それらが鶏卵価格に反映。
また、鶏卵の選別やパック詰めに使う機械を動かすための電気代や燃料代などのエネルギー価格が上昇していることも一因となっています。
※4:独立行政法人 農畜産業振興機構「畜産の情報鶏卵卸売価格、3カ月連続で200円台で推移」
https://www.alic.go.jp/joho-c/joho05_002996.html
※5:農林水産省「フェアプライスプロジェクト 2023年8月18日生産者インタビュー動画(卵)を公開しました。」
https://www.maff.go.jp/j/shokusan/fair-price-project/category/egg/
3位の「菓子類(+20.0%)」の主な品目は、ようかん、ケーキ、プリン、ポテトチップス、チョコレート、アイスクリーム、チューインガムで、これらの値上げの原因としては、菓子類の主な原材料となる砂糖の価格の高騰があげられています。
砂糖の原料となる高糖度原料糖などは主に豪州から輸入し、2023年5月における豪州からの高糖度原料糖の1トン当たりの輸入価格は、9万2,101円と前年同月比で29.1%も上昇しているのだそう(※6)。
原材料価格の上昇に加えて、包装資材や物流費の上昇も値上げ要因のひとつとなっており、また、2024年の値上げ傾向としては、内容量を減少させることによる価格維持ではなく、本体価格を引き上げる値上げが多くみられるとされているそうです。
※6:独立行政法人 農畜産業振興機構「砂糖類の国内需給」
https://www.alic.go.jp/content/001230125.pdf
砂糖の原料となる高糖度原料糖などは主に豪州から輸入し、2023年5月における豪州からの高糖度原料糖の1トン当たりの輸入価格は、9万2,101円と前年同月比で29.1%も上昇しているのだそう(※6)。
原材料価格の上昇に加えて、包装資材や物流費の上昇も値上げ要因のひとつとなっており、また、2024年の値上げ傾向としては、内容量を減少させることによる価格維持ではなく、本体価格を引き上げる値上げが多くみられるとされているそうです。
※6:独立行政法人 農畜産業振興機構「砂糖類の国内需給」
https://www.alic.go.jp/content/001230125.pdf
4位の「油脂・調味料(+17.5%)」の主な品目は、食用油・マーガリン・食塩・しょう油・みそ・砂糖・ケチャップ・マヨネーズ・カレールウ・乾燥スープ・ふりかけ・パスタソースなど。
帝国データバンクの調査によると(※7)、調味料は、2022年は5,953品目、2023年は8,052品目の商品の値上げが実施され、この値上げの要因としては、物流費の高騰・エネルギーコストの上昇、食用油価格の高騰が価格に大きな影響を及ぼしているそうです。
※7:帝国データバンク「食品主要 195 社 価格改定動向調査」
https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p231215.pdf
帝国データバンクの調査によると(※7)、調味料は、2022年は5,953品目、2023年は8,052品目の商品の値上げが実施され、この値上げの要因としては、物流費の高騰・エネルギーコストの上昇、食用油価格の高騰が価格に大きな影響を及ぼしているそうです。
※7:帝国データバンク「食品主要 195 社 価格改定動向調査」
https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p231215.pdf
そして、 5位の「調理食品(+16.6%)」の主な品目は、弁当、おにぎり、調理パン、冷凍米飯などの調理された食品全般を指し、前述した「魚介類」「乳卵類」などの原材料価格の高騰、包装資材や物流費、エネルギー価格の上昇など複合的な要因が重なり、値上げにつながったことが推察されています。
エネルギー価格に注目すると、2021年から上昇傾向にあったエネルギー価格でだったそうだが、 2022年に世界規模でエネルギー価格が高騰し、 世界各地の天然ガス市場は過去最高値を記録(※8)。
また、日本は一次エネルギー自給率が低く海外に依存しているため、エネルギーの輸入コストも値上げ要因のひとつになっていることがうかがえますね。
そのほか、6位〜10位の分野ランキングと主な品目はこのようになっています。
※8:経済産業省 エネルギー庁「第1節 世界的なエネルギーの需給ひっ迫と資源燃料価格の高騰」https://www.enecho.meti.go.jp/about/whitepaper/2023/html/1-2-1.html
エネルギー価格に注目すると、2021年から上昇傾向にあったエネルギー価格でだったそうだが、 2022年に世界規模でエネルギー価格が高騰し、 世界各地の天然ガス市場は過去最高値を記録(※8)。
また、日本は一次エネルギー自給率が低く海外に依存しているため、エネルギーの輸入コストも値上げ要因のひとつになっていることがうかがえますね。
そのほか、6位〜10位の分野ランキングと主な品目はこのようになっています。
※8:経済産業省 エネルギー庁「第1節 世界的なエネルギーの需給ひっ迫と資源燃料価格の高騰」https://www.enecho.meti.go.jp/about/whitepaper/2023/html/1-2-1.html
2020年比で火災保険の値上げ幅は食料品超え!?火災保険の参考純率はこちら
消費者物価指数をもとに紹介した食料や、さまざまな物価が値上げしているなか、火災保険も近年値上げが続いており、火災保険の値上げの主な要因となるのは、気候変動等にともなう自然災害の増加なのだとか。
豪雨や台風等の自然災害による被害の増加に伴い、保険金の支払いが近年急激に増加していることから火災保険の保険料の基準となる参考純率(※9)の引き上げが続いています。
豪雨や台風等の自然災害による被害の増加に伴い、保険金の支払いが近年急激に増加していることから火災保険の保険料の基準となる参考純率(※9)の引き上げが続いています。
2020年の参考純率を100とした場合、直近の引き上げ幅を計算すると、2021年には全国平均+10.9%となる参考純率の改定が行われ、さらに、2023年6月には2014年以降最大となる全国平均+13.0%の参考純率の改定についての届出が、損害保険料算出機構から金融庁に行われたそうです(※10)。
この2つの料率改定をあわせると、火災保険の参考純率の引き上げ幅は2020年と比較して+25.3%となり、これは食品の値上げ幅TOPの魚介類(+25.7%)に迫る水準であり、そのほかの食品の値上げ水準を超える幅になっていることが判明しました。
※9:参考純率とは、火災保険料を決める際に損保各社が参考にする基準値であり、損害保険料算出機構が制定しています。
※10:損害保険料算出機構「火災保険参考純率改定のご案内」
https://www.giroj.or.jp/ratemaking/fire/202306_announcement.html
この2つの料率改定をあわせると、火災保険の参考純率の引き上げ幅は2020年と比較して+25.3%となり、これは食品の値上げ幅TOPの魚介類(+25.7%)に迫る水準であり、そのほかの食品の値上げ水準を超える幅になっていることが判明しました。
※9:参考純率とは、火災保険料を決める際に損保各社が参考にする基準値であり、損害保険料算出機構が制定しています。
※10:損害保険料算出機構「火災保険参考純率改定のご案内」
https://www.giroj.or.jp/ratemaking/fire/202306_announcement.html
この改定は、2024年度を目処に各社の火災保険料に順次反映される見込みであるらしく、加えて、今回の改定では洪水や土砂災害といった水災リスクに対応する水災料率が、市区町村の水災リスクに応じて細分化。
今回の調査を参考にしつつ、これを機に、火災保険の補償範囲や居住エリアのハザードマップを確認して、水災リスクを把握し補償内容について適切な選択や見直しをしてみてはいかがでしょうか。
出典:ソニー損害保険株式会社
今回の調査を参考にしつつ、これを機に、火災保険の補償範囲や居住エリアのハザードマップを確認して、水災リスクを把握し補償内容について適切な選択や見直しをしてみてはいかがでしょうか。
出典:ソニー損害保険株式会社