料理とアルコール飲料とのペアリングで最もうま味が増幅するのは「魚介類×日本酒」
更新日:2020/12/03 12:32
味覚データの提供や味覚に関するコンサルティングを行うAISSY株式会社は、料理とアルコール飲料とのペアリングによる、うま味の増幅に関する実験を実施。その結果、魚介類と日本酒のペアリンングが一番うま味を増幅することが判明しました。
日本酒のうま味の増幅度はどのアルコール飲料よりも高いことが判明
今回、AISSYでは「うま味」という尺度に注目し、慶応義塾大学とAISSYの共同開発による味覚を数値化するマシン「味覚センサーレオ」を活用して、料理とアルコール飲料のペアリングによって、うま味がどれだけ増幅するのか、料理(全25種類)とアルコール飲料(全7種類)を掛け合わせて分析を実施。
その結果、全25料理の平均値とそれぞれのアルコール飲料を合わせた場合のうま味増幅スコアの平均は、他アルコール飲料が0.07-0.08ポイントであったのに対し、日本酒は0.32ポイントと上回りました。
うま味成分を多く含む日本酒は、どの料理と合わせても各料理のうま味スコアの増幅が見られ、中でもグリルロブスターやムール貝の白ワイン蒸し、生牡蠣といった魚介料理と日本酒のペアリングが最もうま味の増幅度が高いという結果に。
これは魚介類に含まれるうま味成分であるイノシン酸と日本酒に含まれるうま味成分であるグルタミン酸が相互作用し、さらにうま味を増幅させる「うま味の相乗効果」によるものだと推測されます。
日本酒と生牡蠣のペアリングでうま味が増幅に
魚介類のペアリングとして白ワインを合わせることが有名ですが、うま味の増幅度という尺度で測った場合、うまみスコアは白ワインよりも日本酒とのペアリングが上回ることが判明。
ペアリングの定番としてあげられる生牡蠣と白ワインのペアリング(0.13ポイントUp)よりも、日本酒とのペアリング(0.41ポイントUp)のほうがうま味が増幅するのです。
ペアリングの定番としてあげられる生牡蠣と白ワインのペアリング(0.13ポイントUp)よりも、日本酒とのペアリング(0.41ポイントUp)のほうがうま味が増幅するのです。
実験方法
計測対象:
料理25種|グリルロブスター、ソフトシェルクラブ、ムール貝の白ワイン蒸し、タラのグリル焼き、ホタテのガーリック焼き、カルフォルニアロール、生牡蠣、オニオングラタンスープ、カラマリフリット、生ハム、オムレツ、刺身(まぐろ)、グリルソーセージ、白身魚のカルパッチョ、マッシュルームのアヒージョ、シュリンプカクテル、フライドチキン、カプレーゼ、カマンベールチーズ、マッシュポテト、クラムチャウダー、ステーキ、ペパロニピザ、オリーブ、キャビア
アルコール飲料|日本酒、白ワイン、赤ワイン、シャンパン、ビール、ジン、ウィスキー
※日本酒は計4銘柄を使用し、4銘柄のスコアの平均値を算出。
計測方法:
・25種の料理を準備し、電解質液に溶解させて味覚分析器「味覚センサーレオ」※にて分析。
・その後、料理とアルコール飲料のペアリングの味覚を分析するため、まずアルコール飲料に計測器具を浸し、そのまま洗浄せずに、電解質液に溶解させた料理につけ、分析器にかけた。
・料理そのもののうま味のスコアから増幅した分を、ペアリングによるうま味の増幅スコアとした。
※味覚センサーレオについて:
味覚センサーレオは慶応義塾大学とAISSYで共同開発されたヒトの味を感じる仕組みを模倣したマシン。舌の表面にある味蕾の代わりにセンサー部分で食品サンプルから電気信号を測定し、独自のニューラルネットワーク(人工的な知能の実現)を通し、五つの基本味を定量的な数値データとして出力している。
実施時期:2020年10月
料理25種|グリルロブスター、ソフトシェルクラブ、ムール貝の白ワイン蒸し、タラのグリル焼き、ホタテのガーリック焼き、カルフォルニアロール、生牡蠣、オニオングラタンスープ、カラマリフリット、生ハム、オムレツ、刺身(まぐろ)、グリルソーセージ、白身魚のカルパッチョ、マッシュルームのアヒージョ、シュリンプカクテル、フライドチキン、カプレーゼ、カマンベールチーズ、マッシュポテト、クラムチャウダー、ステーキ、ペパロニピザ、オリーブ、キャビア
アルコール飲料|日本酒、白ワイン、赤ワイン、シャンパン、ビール、ジン、ウィスキー
※日本酒は計4銘柄を使用し、4銘柄のスコアの平均値を算出。
計測方法:
・25種の料理を準備し、電解質液に溶解させて味覚分析器「味覚センサーレオ」※にて分析。
・その後、料理とアルコール飲料のペアリングの味覚を分析するため、まずアルコール飲料に計測器具を浸し、そのまま洗浄せずに、電解質液に溶解させた料理につけ、分析器にかけた。
・料理そのもののうま味のスコアから増幅した分を、ペアリングによるうま味の増幅スコアとした。
※味覚センサーレオについて:
味覚センサーレオは慶応義塾大学とAISSYで共同開発されたヒトの味を感じる仕組みを模倣したマシン。舌の表面にある味蕾の代わりにセンサー部分で食品サンプルから電気信号を測定し、独自のニューラルネットワーク(人工的な知能の実現)を通し、五つの基本味を定量的な数値データとして出力している。
実施時期:2020年10月