「その自然には、物語がある」指定90周年を迎える4つの国立公園の魅力をご紹介

更新日:2026/01/26 12:49
日本全国に35か所ある国立公園。その中でも、十和田八幡平国立公園・富士箱根伊豆国立公園・吉野熊野国立公園・大山隠岐国立公園の4公園は、2026年に指定90周年を迎えます。本記事では、それぞれの国立公園が持つ自然と物語、その魅力をご紹介します。

指定90周年を迎える、日本を代表する4つの国立公園

日本全国に35か所ある国立公園ですが、2026年、日本で最初に国立公園として指定された4つのエリアが指定90周年という節目を迎えるのだそう。

対象となるのは、十和田八幡平国立公園、富士箱根伊豆国立公園、吉野熊野国立公園、大山隠岐国立公園の4公園。

今回は、これらの4つ公園における、火山や森、水の循環といった自然環境と、地域の歴史や文化、地域の人々のくらしが育んできた「物語」を感じることができる景観と体験の魅力をご紹介します。

十和田八幡平国立公園|火山と湖が織りなすダイナミックな景観

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豊かなブナ林が広がる冷温帯の落葉広葉樹林、八甲田連峰や八幡平に代表される火山性高原、そして二重カルデラ湖・十和田湖。
青森県・岩手県・秋田県にまたがる「十和田八幡平国立公園」は、多様な自然が重なり合い、季節ごとに異なる表情を見せてくれる国立公園です。

なかでも冬は、雪に覆われた森や高原の存在感がいっそう際立つ季節。
多雪地帯に降り積もった雪は、春にかけてゆっくりと溶け、豊かな伏流水となって大地を潤します。
こうした水の循環が、世界有数の美しさを誇るブナ林を支えてきました。
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また、火山活動がもたらした温泉資源は、古くから「湯治」文化を育み、人々の暮らしと深く結びついてきた歴史が。
豊かな森と火山が生んだ多様な地形、そして自然とともに生きる人々の営み。
それらが重なり合い、四季折々の景観とともに「なにもしない贅沢」を味わえる物語こそが、この公園の大きな魅力です。
園内では、奥入瀬渓流で苔に包まれたトレッキングを楽しめるほか、冬には氷瀑鑑賞ツアーも開催。十和田湖では、林に囲まれた静かな湖面が訪れる人をやさしく迎えてくれます。
八幡平や岩手山周辺には、火山活動と豪雪が生み出した高層湿原が広がり、冬季にはスノーシューなど、雪の中で自然を体感するアクティビティも展開されていますよ。

さらに、八幡平ビジターセンターでは、通常は立ち入ることのできない「後生掛自然研究路」に特別に入るツアーが開催されることも。噴気が立ち上る火山地帯を間近で巡る、貴重な体験が用意されています。
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自然を満喫したあとの楽しみが、温泉の時間。
国民保養温泉地第一号の酸ヶ湯温泉をはじめ、乳頭温泉郷、後生掛温泉など、火山の恵みとともに受け継がれてきた温泉地が点在します。
近年では、自然の中で心身を整える「新・湯治」も注目されており、冷えた体をゆっくりと湯で温めるひとときは、まさに至高のリラックスタイムとなりそうですね。

富士箱根伊豆国立公園|日本を象徴する山と海のコントラスト

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東京都・神奈川県・山梨県・静岡県にまたがる「富士箱根伊豆国立公園」は、霊峰・富士山を中心に、富士五湖、箱根、伊豆半島、伊豆諸島へと広がる、日本を代表する火山地形の国立公園。
山、湖、海、島が連なり、エリアを移動するごとに異なる自然の表情に出会えるのが、この公園ならではの魅力と言えます。

伊豆半島に目を向けると、天城山系の豊かな自然、変化に富んだ海岸線、そして火山活動が生み出した地形が広がります。
南端に位置する石廊崎では、海底火山から噴出した溶岩によって形成された荒々しい地形が際立ち、火山が創り出した伊豆半島の個性を象徴する景観に出会えます。温泉地が点在するのも、このエリアならではの特徴です。
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公園北部にそびえる富士山は、日本の象徴として古くから人々の信仰を集めてきました。
浮世絵をはじめとする数多くの芸術作品の題材にもなり、「信仰の対象」でありながら「芸術の源泉」として親しまれてきた存在です。

その文化的価値が評価され、富士山は世界文化遺産にも登録されています。環境省では、富士山の優れた景観と文化を感じられる代表的な眺望地を「富士山がある風景100選」として選定し、その魅力を発信しています。
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さらに、今も火山活動が続く大島や三宅島などの伊豆諸島では、御蔵島や利島周辺の海で、春から秋にかけて野生のイルカと泳ぐ「ドルフィンスイムツアー」が実施されています。
透明度の高い海の中で、野生のイルカを間近に観察できる体験は、富士箱根伊豆国立公園ならではの貴重な自然体験のひとつ。

火山が生み出した多様な地形と、そこに根付いてきた人々の暮らしや文化、信仰。
富士箱根伊豆国立公園では、それらが重なり合う風景を、旅の中で連続的に体感することができますよ。

吉野熊野国立公園|信仰と自然が重なり合う聖地

三重県・奈良県・和歌山県にまたがる「吉野熊野国立公園」は、原生林と急峻な山々、深い渓谷、そして黒潮の影響を受けた海岸線までを内包する、スケールの大きな国立公園です。
熊野信仰や修験道といった山岳宗教の歴史が自然と溶け合い、「文化的景観」をあわせ持つ点も、この公園ならではの特徴と言えます。

大峰山脈や大台ヶ原の山岳地帯から、熊野川・北山川の清流、熊野灘の海岸へ。
異なる自然環境がひと続きにつながり、地形の違いがそのまま体験の違いとして表れていきます。山域では、大台ヶ原の断崖「大蛇嵓(だいじゃぐら)」をはじめ、修験道の歴史が今も息づく風景が広がります。
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吉野山では、修験道の開祖・役行者の故事以来、人の手によって守られてきた桜が山全体を覆います。現在、その管理を担うのはわずか3人の「桜守」。人と自然がともに歩んできた時間の積み重ねが、景観として受け継がれています。
また、世界文化遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の一部として登録された熊野川では、江戸後期から続く「三反帆(さんだんぼ)」に乗り、かつての参詣の道のりに思いを馳せる体験も可能です。

熊野那智大社と青岸渡寺も、世界文化遺産に登録されている日本有数の聖地。
落差133mを誇る那智の滝との調和は壮観で、その神秘性は『TIME』誌の「The World's Greatest Places of 2025」に選ばれるなど、国際的にも高く評価されています。
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一方、尾鷲湾から千里の浜へと続く約560kmの海岸線では、リアス海岸や、すさみ町に見られるフェニックス褶曲など、変化に富んだ地形が展開。串本周辺には世界最北のサンゴ礁生態系が広がり、日本初の海中公園(現・海域公園)にも指定されています。

山、川、海と、エリアごとに景観が切り替わるため、訪れるたびに異なる表情に出会えるのも吉野熊野国立公園の魅力。
自然のつながりの中で育まれてきた歴史や文化を、体感として味わえる奥行きのある旅が、ここにはあります。

大山隠岐国立公園|山岳信仰と海に囲まれた独自の自然環境

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鳥取県・島根県・岡山県にまたがる「大山隠岐国立公園」は、日本神話や山岳信仰の舞台となった自然が、今も人々の暮らしと連続して残る国立公園。
中国地方最高峰の大山をはじめ、蒜山(ひるぜん)、三徳山(みとくさん)、三瓶山(さんべさん)、島根半島の海岸、隠岐諸島まで、多様なエリアがひとつの公園に内包されています。

豊かな水の恵みをもたらす大山は、古くから「大山信仰」として広く崇敬されてきました。
また、三徳山は山そのものが修行の場とされる山岳信仰の聖地として知られ、自然と信仰が一体となった風景が今も受け継がれています。
島根半島には「国引き神話」にまつわる名所も点在し、神話の世界と現実の風景が重なり合う景観に出会えますよ。
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公園内の各エリアには、火山活動や地殻変動によって形成された、個性豊かな地形が広がります。
登山やトレッキング、海岸散策、シーカヤックなど、自然と向き合う体験が各地で展開されており、とりわけ大山や三徳山では、信仰や修行の対象とされてきた山を、自らの足で歩く体験が可能です。

草原の風景が印象的な蒜山エリアでは、登山道や草原の維持・管理に携わる体験型アクティビティも行われています。
自然を「守る側」として関わることで、風景の見え方が変わる——そんな達成感を味わえるのも、この地域ならではの魅力です。
一方、隠岐諸島では、「摩天崖(まてんがい)」や「赤壁」といった、大地の動きと浸食が生み出した断崖や海岸景観が広がり、山岳エリアとはまったく異なる自然の表情を見せてくれます。
エリアを移動することで、風景だけでなく、自然との向き合い方そのものが切り替わる点も、大山隠岐国立公園の大きな特徴です。

自然、信仰、そして人々の暮らし。
それらが重なり合う大山隠岐国立公園では、風景を眺めるだけでなく、その土地に息づいてきた歴史や物語を、体験として感じる時間が広がっています。

おわりに

2026年に指定90周年を迎える4つの国立公園は、いずれも自然の美しさだけでなく、人々の暮らしや信仰、文化が重なり合う「物語」を持つ場所です。景色を眺めるだけでなく、その土地が育んできた背景に触れる時間こそが、国立公園の旅の魅力。次の旅先に、物語のある自然を選んでみてはいかがでしょうか。

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