次世代バイオ燃料の安定供給へ向けて。EcoCeres社とユーグレナ社が基本合意書を締結

2024年11月18日、株式会社ユーグレナ（以下：ユーグレナ社）とEcoCeres, Inc.（以下：EcoCeres社）が、持続可能な航空燃料(Sustainable Aviation Fuel、以下「SAF」)および、次世代バイオディーゼル燃料 (Hydrotreated Vegetable Oil：水素化植物油、以下「HVO」)の日本における普及に共同で取り組んでいく基本合意書を締結しました。

同日、両社が共同で、バイオ燃料に関するメディア向け発表会を開催。

当日は、EcoCeres社のCEO Mr. James NI氏、ユーグレナ社 代表取締役社長 出雲 充氏、ユーグレナ社 執行役員 エネルギーカンパニー長 新田 直氏の3名が登壇しました。

EcoCeres社は、世界市場で再生可能燃料を供給するリーディング・カンパニーのひとつ。国際持続可能性カーボン認証(International Sustainability & Carbon Certification、ISCC)※1の認定を受けており、独自の技術によって年間35万トンもの生産能力をもつ工場でSAFとHVOを製造しています。また、現在マレーシアに年間生産能力42万トンのSAFおよびHVOの製造設備を建設中。

※1 国際持続可能性カーボン認証：持続可能性および炭素に関する国際認証で、バイオマスや再生材などが持続可能な原料であることをサプライチェーン上で管理・担保する認証制度

一方でユーグレナ社は、使用済み食用油と微細藻類ユーグレナ油脂を原料とする「バイオジェット・バイオディーゼル燃料製造実証プラント」を日本で初めて稼働。SAFおよび次世代バイオディーゼル燃料として「サステオ」を展開し、陸・海・空すべてのモビリティへの供給を実施してきました。

将来的なバイオ燃料の需要拡大を支える持続可能な原料の選択肢として、微細藻類由来油脂の大規模生産に関する研究開発を推進。

両社は、今回の戦略的なパートナーシップを通して、日本の航空・運輸分野において環境に優しい代替燃料としてのSAFおよびHVOの普及を進め、日本と国際社会の持続可能な未来に貢献することを目指すといいます。

日本におけるHVOの需要は急速に高まっており、ユーグレナ社はニートHVO※2 を、EcoCeres社をはじめとするサプライヤーから輸入し、これを日本の軽油規格や顧客ニーズに合わせ、品質調製を行ったうえで、次世代バイオディーゼル燃料「サステオ」として、日本市場に供給しています。

※2 ニートHVO：バイオマス原料から生成された純度100％のHVO

日本のバイオ燃料市場における「サステオ」の販売と存在感が拡大するなか、ニートHVOのサプライヤーであるEcoCeres社と、「サステオ」を展開するユーグレナ社のパートナーシップによって、日本のHVOユーザーに対する一層の安定供給が可能になるといいます。

さらにSAFについては、両社の知見やリソース、ネットワークを合わせることで、日本におけるSAF導入をサポートし、温室効果ガスの排出量削減とクリーンエネルギーへの転換を促進していくとのこと。

両社それぞれの強みを活かしながら、日本市場におけるSAFおよびHVOの普及を加速させるようなイノベーションや研究開発に取り組み、最終的には “日本のサステナビリティ目標と環境目標の実現に貢献していく” といいます。

今回の締結について、株式会社ユーグレナの出雲氏は「今日まさに、日本が掲げる温室効果ガス削減目標への貢献に向けて、大きな一歩を踏み出しました。『サステオ』は、導入というフェーズから継続利用や供給拡大に舵を切っています。EcoCeres社との良好なパートナーシップを構築をきっかけに、クリーンなエネルギーである『サステオ』をいつでもご希望の量を安定的に提供することが可能になったのです。これからの日本でバイオ燃料を当たり前にしていきたいと考えています」と語りました。

一方で、James NI氏は「日本のサステナブルな未来に向かって進んでいくため、持続可能な航空燃料の活用をサポートしていきたいと思います。私たちは、今回の基本合意書の内容を果たすだけでなく、それ以上の持続可能性の新たな目標を設定し、そしてこの道のりにさまざまな人々や組織も参加することを願っています。今日の行動が次世代に繋がると信じており、株式会社ユーグレナとともに環境に優しい未来を作っていく一助になりたいと考えております」と話しました。