新潟県中越地震から20年。ソニー損保が「来たるべき複合災害に備える10のポイント」を公開

更新日:2024/10/30 18:40
2024年10月23日は、豪雨×地震×豪雪で被害が拡大した新潟県中越地震から20年という節目を迎える日。それに伴い、ソニー損害保険が銀座パートナーズ法律事務所の代表弁護士で、気象予報士・ファインシャルプランナー・防災士の資格を持つ岡本正さん監修のもと、「来たるべき複合災害に備える10のポイント」を公開しています。複合災害のリスクに合わせた火災保険の補償の選び方もしているので、参考にしてみてくださいね。

「来たるべき複合災害に備える10のポイント」と火災保険の補償内容について

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ソニー損害保険が、10月23日に新潟県中越地震から20年という節目を迎えるにあたり、銀座パートナーズ法律事務所の代表弁護士で、気象予報士・ファインシャルプランナー・防災士の資格を持つ岡本正さん監修のもと、「来たるべき複合災害に備える10のポイント」を公開しています。

同時に、複合災害のリスクに合わせた火災保険の補償の選び方も紹介しているので、ぜひ今後の参考にしてみてくださいね。
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2004年10月23日、未曾有の被害をもたらした新潟県中越地震から早いもので20年の月日が経ちます。

最大震度7、3,175棟の住居が全壊するなど、甚大な被害を受けたことを記憶されている方も多いかと思いますが(※1)、特に、山古志村(現長岡市山古志地区)では全村避難を余儀なくされ、地域全体が壊滅的な打撃を受けました。

新潟県中越地震は、単なる地震だけでなく、大規模な土砂崩れや液状化現象など、複数の災害が同時に発生する複合災害であったという点が大きな特徴で、同年冬には19年ぶりの豪雪が起き、復興途上の山間部で雪崩や融雪災害といったさらなる災害も生じました(※2)。

複合災害は、主に一つの災害が別の災害を引き起こし、被害を拡大させる現象ですが、例えば、地震によって建物が倒壊し、その下敷きになった人が火災で命を落とすといったケースも考えられるのだとか。

今回、近年の地球温暖化の影響による異常気象の増加や、都市化による自然環境の変化など、複合災害が発生するリスクがますます高まっていることから、新潟県中越地震から20年という節目を機に「来たるべき複合災害に備える10のポイント」を作成したのだそうです。

※1:新潟地方気象台「平成16年(2004年)新潟県中越地震」
https://www.data.jma.go.jp/niigata/menu/2024project/chuetsu_main.html
※2:新潟県ホームページ「19年ぶりの豪雪」
https://www.pref.niigata.lg.jp/uploaded/attachment/78559.pdf
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南海トラフ地震、日本海溝・千島海溝地震、首都直下地震等の巨大地震は、今後30年で60~70%の確率で発生すると言われており、これらの巨大地震は、津波、火災、土砂崩れ、液状化現象、大規模停電(ブラックアウト)、公共インフラの断絶等を連鎖的に発生させ複合災害となることが確実視されています。

また、近年の地球温暖化による平均気温の上昇に連動するかのように、全国的に大雨や短時間強雨の発生頻度が増加傾向にあり、原因が異なる別の自然災害が間をおいて発生し、被害が連鎖的に引き起こされる複合災害にも最大限警戒しなければならないのです。

例えば、河川堤防が地震被害を受けたのちに豪雨や台風に襲われれば、堤防の破壊等による大規模な洪水被害が発生する危険が一層高まるため、私たちは複合災害がいつ起きてもおかしくないということを心に留めておかなければなりません。

2004年の新潟県中越地震は山間部を中心に深刻な地震被害が発生しましたが、同時にわが国有数の豪雪地帯であったことから、地震で傷んだ斜面での雪崩や、融雪による河川閉塞や土砂崩れが発生しました。

また、2024年1月1日の能登半島地震の影響が残る中で発生した、9月の能登豪雨災害は、広範囲で土砂災害、洪水被害、浸水被害をもたらし、地震により地盤に亀裂が入っていたところに大量の水が入り込んだことで、土石流がより深刻化した可能性が指摘されているそうです。

これらのことから、国や自治体では、避難所の早期開設や被災後の生活環境整備のための準備や、複合災害を念頭においた事前復興計画の策定に取り組みはじめていますが、より深刻な被害が起きるとされている複合災害を想定したとき、私たち一人ひとりが準備できることは何でしょうか。

それは、命を守るための行動について改めて確認しておくこと、必要な食糧や物資を日ごろから備蓄しておくこと、そして、いつのタイミングで、どんな避難行動をとり、どこへ避難するのかについて情報を収集し、実際に訓練をしておくことにほかなりません。

自分の身は自分で守ろう!複合災害に備えるべき10のポイント

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ここからは、大地震のあとに豪雨や台風が同じ地域を襲う場合を念頭においた複合災害に備える10のポイントを紹介していくので、ご自分の身を守るためにもしっかりと理解しておいてくださいね。

①自宅とブロック塀の耐震化・家具固定をし、必要なら耐震改修を実施しましょう。

即時の倒壊を防ぎ、生存可能な空間や避難経路を確保できる可能性が飛躍的に上昇し、また、家具のみならず家電の固定も忘れずに行うことが大切です。
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②災害発生時は、地震の際には身を小さくして頭を守り直ちに命を守る行動を取りましょう。

むやみに動くとかえって危険なこともあるため、津波や水害のおそれがある場合は率先して安全な場所まで避難を。

洪水等ですでに周囲が危険な状態になっている場合は、垂直避難(2階以上の高さがある場所へ移動する)も含めてできる限り命を守る行動を心がけましょう。
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③気象庁の「キキクル」というウェブサイトを注視しましょう。

「キキクルは、土砂・浸水・洪水について危険度分布を地図上に色分け表示されていることで、危険発生や緊急度が一目で分かり、地域の危険度の高まりが視覚的に把握できるので、大雨等のときには必ずチェックをしてみてくださいね。
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④浸水、洪水、土砂災害などに応じた、自治体のハザードマップを見ておこう。

住んでいる地域のみならず、通勤・通学・通院、その他の生活圏で危険な箇所がどこにあるか、それぞれの地域の災害に応じた避難場所を事前にチェックし、訪問するなどしておきましょう。
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⑤マイ・タイムラインを準備して早期避難を。

マイ・タイムラインとは、台風や大雨で河川水位が上昇するときに個人がとるべき標準的行動計画のことです。

いつまでに(避難指示や高齢者等避難の発令)、どこへ(自宅に待機、同じ建物で垂直避難、近隣の安全な施設等)避難するべきかを決めておきましょう。
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⑥家族と連絡がとれない前提で準備をしましょう。

大規模災害時には通信インフラの被害や回線の集中で家族等との連絡がとれなくなる可能性があるので、家族の全員が災害時にそれぞれ最善の行動がとれるように、災害の種類に応じた行動指針を話し合って決めておくことが大切です。
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⑦7日分の備蓄を目指そう。

大規模災害時には、通信・電気・上下水道・ガス等の公共インフラが長期間にわたり使用不能となる可能性があるため、最低でも3日分の食料や生活必需品の備蓄を行い、またローリングストック(※)をするなどして、できる限り7日分の備蓄を行っておきましょう。

※普段から少し多めに食材、加工品を買っておき、使ったら使った分だけ新しく買い足していくことで、常に一定量の食料を家に備蓄しておく方法。
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⑧「仮住まい」について考えましょう。

南海トラフ地震や首都直下地震などの巨大災害では、大規模人口密集地帯が被害を受けるため、避難所や仮設住宅などの仮の住まいを全員分確保することは難しいとされているので、在宅避難、または被災地からの広域避難等についても、今のうちから考えておくことが必要です。
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⑨起きる災害をイメージして保険を見直そう。

自然災害には、台風・暴風雨、土砂災害、洪水、突風・竜巻、大雪、地震、津波、火山の噴火など多数の種類があります。

そんな複合災害に備え、加入している保険が補償対象としている災害が何かを確認し、いつどこで起きるか分からない地震にも備えて地震保険への加入も積極的に検討しましょう。
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⑩生活再建のための法律と窓口を知っておこう。

大規模災害のあとには、住まいの再建、住宅ローン等支払いへの対応、生活費の確保などといった「お金とくらし」に関する支援ニーズで溢れてしまいます。

そのため、罹災証明書、被災者生活再建支援金、自然災害債務整理ガイドラインなど、災害時も絶望することなく一歩を踏み出せるよう、必要な制度について「知識の備え」をしておきましょう。

今回監修した、銀座パートナーズ法律事務所の代表弁護士の岡本正さん

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<プロフィール>
1979年生まれ、2003年弁護士登録し、現在は銀座パートナーズ法律事務所代表。

気象予報士、ファイナンシャルプランナー(AFP認定者)、防災士、マンション管理士、宅地建物取引士等の資格を生かしながら防災教育や企業研修を多数手掛ける。

また、新たな学問「災害復興法学」を創設して博士(法学)を取得し、岩手大学客員教授や慶應義塾大学講師など、多数の大学に講座を展開する災害と法律分野の第一人者。

近著には、「被災したあなたを助けるお金とくらしの話増補版」(弘文堂)、「災害復興法学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ」(慶應義塾大学出版会)などが多数あります。

自然災害の増加が原因で火災保険料が2024年度から値上げ!?

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火災保険の保険料の目安となる参考純率について、損害保険算出機構が2023年6月に全国平均で13.0%の引上げを発表しましたが、これは自然災害による被害が全国各地で毎年のように多発しており、保険金の支払いが増加傾向にあるためなのだとか。

それを受け、各保険会社では2024年10月に火災保険料の改定が行われており、加えて今回の改定では、洪水や土砂災害といった水災リスクに対応する水災料率が「所在地の水災リスク」の水災リスクに応じて細分化されています。

これを機に、今一度火災保険の補償範囲や居住エリアのハザードマップを確認して、地震や水災リスクを把握し、補償内容を再度見直してみてはいかがでしょうか。

【地震上乗せ特約 /ソニー損保 新ネット火災保険の場合】
地震保険は、火災保険とセットで加入することができ、加入すると地震による建物の倒壊や火災、地震によって発生した津波による住家被害など、地震等を原因とする建物や家財の損害が補償されます。

地震保険で補償される金額は、最大でも火災保険の保険金額の50%となっていますが、ソニー損保の新ネット火災保険では、「地震上乗せ特約(全半損時のみ)」をセットすることで、最大100%(火災保険に対して)の補償額にすることが可能に。

地震保険によって全損、大半損または小半損として保険金が支払われる場合、一部損の場合はお支払いの対象となりますが、地震保険による保険金と同額が支払われます。

なお、この特約は地震保険の保険金額を「火災保険の保険金額の50%」に設定した場合のみセットすることができるそうです。
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【水災補償/ソニー損保新ネット火災保険の場合】
台風や暴風雨などが原因で起こる洪水・高潮・土砂崩れなどにより、建物や家財に再調達価額(※)の30%以上の損害が生じたとき、または建物が床上浸水もしくは地盤面より45cmを超える浸水となった結果、損害が生じたときに、保険金が支払われます。

※万一事故が起きた場合、実際にかかる修理・建て直しに必要な金額のこと。

従来、水災の保険料は構造級別ごとに全国⼀律でしたが、ソニー損保では2024年10月1日以降に保険始期日となる契約を対象とした商品改定で、所在地を"丁目単位"で細分化してリスクを判定し保険料に反映ししており、この"丁目単位"のリスク細分を導入することで、より実態に沿った合理的な保険料の実現を目指しているそうです。

出典:ソニー損害保険株式会社

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