2023年最も売れた漢方薬は?!クラシエ薬品が「KAMPO OF THE YEAR 2023」開催
更新日:2023/12/12 15:23
12月6日、『クラシエ薬品』が今年最も注目された漢方薬を発表する「KAMPO OF THE YEAR 2023」を開催。今年は、脱コロナの影響で「のどの異常」や「花粉症」関連処方が伸び、漢方薬の需要にも影響が表れているのだそう。そんな中、こうした漢方薬市場の動向を分析して分かった結果を、6つのトピックスで発表しました。
日本国内の漢方薬市場は拡大の傾向に!2023年最も注目された漢方薬を発表
漢方薬を中心とした一般用医薬品と医療用医薬品を販売している『クラシエ薬品』が、12月6日に漢方薬市場の動向や、2023年に売上を伸ばした注目の漢方薬をまとめた「KAMPO OF THE YEAR 2023」を開催し、その中で今年最も売れた漢方薬を結果を発表しました。
2023年に最も売れたのは、漢方の中でも有名といえる「葛根湯」。続いて「防風通聖散」、「芍薬甘草湯」という結果に。
2023年に最も売れたのは、漢方の中でも有名といえる「葛根湯」。続いて「防風通聖散」、「芍薬甘草湯」という結果に。
また、本格的に“脱コロナ”の時代を迎えた2023年は、制限緩和により人々の生活も変化し、漢方薬の需要にも影響が表れているとのこと。
さらに半世紀以上にわたって暮らしに寄り添った漢方薬を提供し続けている『クラシエ薬品』は、漢方薬の最新動向も取りまとめ発表。
この企画は、漢方薬市場の動きから生活者が抱える不調を読み解き、独自の視点で漢方のトレンドを予測することを目的に、漢方薬を通じて1年を振り返るきっかけになればという想いから実施されています。
この企画は、漢方薬市場の動きから生活者が抱える不調を読み解き、独自の視点で漢方のトレンドを予測することを目的に、漢方薬を通じて1年を振り返るきっかけになればという想いから実施されています。
漢方薬市場は一般用・医療用ともに直近6箇年で堅実に成長
薬局やドラッグストアで販売される一般用漢方薬の市場規模は、直近6箇年では増加傾向にあり堅実な成長を見せているのだとか。
2021年度は、コロナ禍における漢方風邪薬の落ち込みにより減少傾向となったが、昨年から回復に転じ、今年は前年比113%を見込んでいるのだそう。
また、医療用漢方薬市場も直近6箇年で継続的に成長し、2023年度は前年比103%の見込みに。
また、医療用漢方薬市場も直近6箇年で継続的に成長し、2023年度は前年比103%の見込みに。
20代・30代の若年層では購買指数が上昇傾向にあるという結果に
今年度の一般用漢方薬市場では、20代・30代の若年層需要の増加傾向が見られ、購入個数と来店者数を基に算出した購買指数(PI 値)を年代ごとに比較を示した下記のグラフでは、20代・30代ではいずれも前年比110%以上の高い伸長率に。
一方、年代が高くなるほど伸長率は減少傾向にるらしく、既存ユーザーの高齢者層だけでなく、漢方薬の需要は幅広い年代に広がっている様子が伺えます。
一方、年代が高くなるほど伸長率は減少傾向にるらしく、既存ユーザーの高齢者層だけでなく、漢方薬の需要は幅広い年代に広がっている様子が伺えます。
昨年に引き続き“のどの異常”に関連する処方がランクイン
一般用漢方薬市場において、1月~10月の期間で最も伸長率が高かった漢方処方は、しわがれ声やのどの痛みに対応する「響声破笛丸(きょうせいはてきがん)」という結果に。
また、2位と3位には咳関連の処方である「麦門冬湯(ばくもんどうとう)」「五虎湯(ごことう)」が入り、上位3位に全て“のどの異常”に関連する処方がランクインしました。
こののどに関する処方が伸びた要因としては、新型コロナウイルスの影響で以前よりも咳への対処意向が高まったことで、セルフメディケーション需要が高まったことが推察されているのだそうです。
また、2位と3位には咳関連の処方である「麦門冬湯(ばくもんどうとう)」「五虎湯(ごことう)」が入り、上位3位に全て“のどの異常”に関連する処方がランクインしました。
こののどに関する処方が伸びた要因としては、新型コロナウイルスの影響で以前よりも咳への対処意向が高まったことで、セルフメディケーション需要が高まったことが推察されているのだそうです。
2023年の注目すべき漢方のトレンドは「アレルギー性鼻炎(花粉症)」
2023年の漢方薬市場において、注目すべきトレンドの一つに「アレルギー性鼻炎(花粉症) 」があげられるとのこと。
一般的に「鼻炎」に使われるという漢方薬「小青竜湯」の需要は、2019年から2022年にかけて大きく縮小したが、2023年は需要が再拡大。
この背景には、今年の花粉飛散量が例年よりも多かったことや、脱マスクによる影響が考えられています。
一般的に「鼻炎」に使われるという漢方薬「小青竜湯」の需要は、2019年から2022年にかけて大きく縮小したが、2023年は需要が再拡大。
この背景には、今年の花粉飛散量が例年よりも多かったことや、脱マスクによる影響が考えられています。
また、10年前の季節指数と比較すると、直近4年間においてはやや秋口にかけて伸びている傾向に。
一方、春先の指数はダウン傾向にあり、秋花粉(イネ・ブタクサ等)の広まりが需要増に影響していると考えられています。
一方、春先の指数はダウン傾向にあり、秋花粉(イネ・ブタクサ等)の広まりが需要増に影響していると考えられています。
2023年の漢方トレンドは「耳鳴り」
耳鳴りの対応する「七物降下湯(しちもつこうかとう)」や「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」が、昨年に続き大きく伸長したことも今年の特徴の一つ。
高齢化社会の到来による患者数の増加をベースに、一般用漢方薬での対処という選択が広がっていることが推察され、それに加えてメーカー各社による投資効果も相まって、今後さらに伸長の見込まれる市場の一つとなっているのだそうです。
高齢化社会の到来による患者数の増加をベースに、一般用漢方薬での対処という選択が広がっていることが推察され、それに加えてメーカー各社による投資効果も相まって、今後さらに伸長の見込まれる市場の一つとなっているのだそうです。
この耳鳴りの原因はさまざまで、「ストレス・疲れ」や「気圧の変化」のほか、中高年以上の方は加齢や高血圧に起因するケースも考えられるとのこと。
耳鳴りに対応する漢方薬は複数処方あるため、症状や自身のタイプに合わせて柔軟に選択できる点も、耳鳴りへの対処に漢方薬が選ばれている要因だと推察できます。
耳鳴りに対応する漢方薬は複数処方あるため、症状や自身のタイプに合わせて柔軟に選択できる点も、耳鳴りへの対処に漢方薬が選ばれている要因だと推察できます。
2024年以降、継続的に拡大が予想されるカテゴリーは“フェムケア”
女性活躍の推進や社会の意識変化などを要因とした、「フェムケア」や「フェムテック」領域には引き続き高い関心が寄せられています。
「フェムテック」が広がり始めた当初は、テクノロジーを活用したアイテムに注目が集ったそうだが、近年では、目新しさから個人の悩みに合わせた“フェムケア”に広がりを見せているのだそう。
漢方薬は、PMSや月経不順、更年期といった症状に対し、そのような病名が無かった時代から、女性特有の疾患効果があるとして用いられてきました。
女性特有の多種多様な悩みと漢方薬の親和性は高く、実際に、フェムテック・フェムケアという言葉が日本で広がり始めた 2019年前後から、女性疾患処方の伸長が顕著に表れ、年平均11.7%の成長率で拡大。
今後、フェムケア関連市場の拡大とも相まって、漢方薬の視点からも非常に注目度の高いカテゴリーであると考えられています。
「フェムテック」が広がり始めた当初は、テクノロジーを活用したアイテムに注目が集ったそうだが、近年では、目新しさから個人の悩みに合わせた“フェムケア”に広がりを見せているのだそう。
漢方薬は、PMSや月経不順、更年期といった症状に対し、そのような病名が無かった時代から、女性特有の疾患効果があるとして用いられてきました。
女性特有の多種多様な悩みと漢方薬の親和性は高く、実際に、フェムテック・フェムケアという言葉が日本で広がり始めた 2019年前後から、女性疾患処方の伸長が顕著に表れ、年平均11.7%の成長率で拡大。
今後、フェムケア関連市場の拡大とも相まって、漢方薬の視点からも非常に注目度の高いカテゴリーであると考えられています。