中国企業による偽ニュースサイトが増加!セキュリティメーカーがリスクと対策を徹底解説

更新日:2024/12/25 10:47
日本発のグローバルセキュリティメーカー・株式会社サイバーセキュリティクラウドが、中国企業による偽ニュースサイトによる増加するリスクと対策について徹底解説。現在判明している情報を基にし、セキュリティメーカーの見地からサイト作成者や組織について取りまとめた情報を詳しくご紹介します。

偽ニュースサイトのリスクを認識し、被害を防ぐ対策が重要!

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グローバルセキュリティメーカーである株式会社サイバーセキュリティクラウドが、中国企業による偽ニュースサイトに関して、セキュリティメーカーの見地から現在判明している情報を基に、サイト作成者や組織についての情報を取りまとめ徹底解説。

偽ニュースサイトの作成や運営にはさまざまな関係者がおり、その背後にあるネットワークは複雑で一部では中国の広報会社の関与も確認されているなど、政府の政治的目標を推進するために利用されているケースもあるのだとか。

このような現状から、今後は偽ニュースサイトのリスクをしっかりと認識し、被害を防ぐための対策が重要となるので、ここから4つの項目に分けて詳しくご紹介していきます。

偽ニュースサイトの運営者とその背景

まず、偽ニュースサイトは多くが中国政府と関連のある広報会社により運営されて、特に中国国内の政治的目的を推進するために使用されているそうで、この調査によると、これらの広報会社は政治的メッセージを拡散するためにヨーロッパやアジア、ラテンアメリカを中心に複数の偽ニュースサイトを展開しているそうです。

その主な運営会社として、まず1社目の深圳に拠点を置く広報会社の海売云享传媒(Haimai)は、韓国メディアを装った18の偽ニュースサイトを運営し、自社のニュース配信プラットフォーム「Times Newswire」を使って、親中的なコンテンツを拡散(※1)。

そして、もう1社の上海海讯社科技有限公司(Haixun)は、Google傘下のMandiantが調査したところ「HaiEnergy」キャンペーンの一環として、72の偽ニュースサイトのネットワークを利用し、これらは親中コンテンツを配信し、偽の抗議活動を作り出してその様子を拡散しているそうです(※2)。

※1:National Cyber Security Center『중국의 언론사 위장 웹사이트를 악용한 영향력 활동』
https://www.ncsc.go.kr:4018/main/cop/bbs/selectBoardArticle.do?bbsId=SecurityAdvice_main&nttId=88028&menuNo=020000&subMenuNo=020200&thirdMenuNo= (2024年11月26日アクセス)

※2:GoogleCloud『Pro-PRC HaiEnergy Campaign Exploits U.S. News Outlets via Newswire Services to Target U.S. Audiences;Evidence of Commissioned Protests in Washington, D.C.』
https://cloud.google.com/blog/topics/threat-intelligence/pro-prc-haienergy-us-news/?hl=en (2024年11月26日アクセス)

偽ニュースサイトにおける運営方法の特徴

これらの偽ニュースサイトは、標的とする国の言語や文化に合わせたコンテンツを提供し、既存の信頼できるメディアに似たWebサイトデザインを採用しています。

多くの場合は、盗用したニュース記事を使用したり、政治的に偏った内容を拡散することを目的としており、これにって読者を欺き誤った情報を広めているのだそう。

その運営方法の特徴として、まず1つ目はドメイン名を既存メディアに似せていること。

偽ニュースサイトは、既存の有名なメディアのドメイン名に似たドメイン名を使用することがあり、例えば、イタリアの新聞「IlFoglio」紙(※1)は、「Roma Journal」「Torino Human」など、イタリアの都市名と一般的な用語を組み合わせたドメイン名を持つサイトを発見したのだとか。

そして、2つ目はソーシャルメディア上での情報䛾の拡散で、偽アカウントやボットを使用して情報をソーシャルメディア上で拡散させて、海外インフルエンサーにも拡散を依頼している場合があること(※2)。

最後に、3つ目は特定䛾政治的メッセージを伝えるために偽の抗議活動を組織し、その様子を拡散している疑いがあるそうです(※3)。

※1:Decode39『Network of fake, pro-China “news” websites unveiled in Italy』
https://decode39.com/8109/network-fake-china-news-websites-italy/ (2024年11月26日アクセス)
※2:National Cyber Security Center『중국의 언론사 위장 웹사이트를 악용한 영향력 활동』
https://www.ncsc.go.kr:4018/main/cop/bbs/selectBoardArticle.do?bbsId=SecurityAdvice_main&nttId=88028&menuNo=020000&subMenuNo=020200&thirdMenuNo= (2024年11月26日アクセス)
※3:Google Cloud『Pro-PRC HaiEnergy Campaign Exploits U.S. News Outlets via Newswire Services to Target U.S. Audiences;
Evidence of Commissioned Protests in Washington, D.C.』
https://cloud.google.com/blog/topics/threat-intelligence/pro-prc-haienergy-us-news/?hl=en (2024年11月26日アクセス)

運営者の目的とリスク

偽ニュースサイトの運営者の目的は多岐にわたり、主に以下のようなものが考えられています。

1つ目は政治的プロパガンダ。
偽ニュースサイトは、特定の政治的立場を支持する内容を拡散し、読者に影響を与えることを目的としており、これには親中コンテンツや特定国に対する批判的な内容が含まれています。

2つ目は広告運用による収益。
世間の関心を集めるニュースを利用して広告収入を得ることも偽ニュースサイトの1つの目的であり、衝撃的な内容や不確かな情報を用いて、PV数を増やし収益化を図っています。

3つ目は社会不安の増幅。
偽ニュースサイトが拡散する誤った情報は社会不安を増大させることがあり、特に災害やテロに関する誤報は社会の混乱を引き起こす可能性があります。

そして、これらにより発生し得るリスクとして下記が挙げられます。

1つ目は市民へのリスクで、偽ニュースサイトの拡散によって市民が誤った情報に基づいて判断を下す可能性が高まり、さらに、政治的な意図を持った誤情報が広まれば、世論操作の危険も考えられます。

2つ目はメディアへのリスクで、偽ニュースサイトが横行するとメディア全体の信頼性が低下し、情報の正確性に対する不信感を招くことに。

3つ目は企業へのリスクで、偽ニュースサイトは企業や組織に対する虚偽の情報を拡散し、ブランドイメージや企業の信用に深刻な影響を与えることがあるのです。

被害にあわないために一般市民が対策としてできること5つ

偽ニュースサイトの被害に遭わないために、一般市民が行える対策を5つご紹介します。

1つ目は、情報源を特定すること。
偽ニュースサイトは、一見正規のニュースサイトのように見えることが多く情報源をよく確認することが重要となるため、記事のURLやサイトのデザイン、運営者の情報などを確認し、信頼できる情報源かどうかを判断しましょう。

2つ目はメディアリテラシーを養うこと。
誤ったニュースを見分ける力を養うためにはメディアリテラシーの向上が不可欠となるため、情報源の信頼性評価やファクトチェックの方法、情報操作の手口などについて学び、批判的な思考力を身につけることが重要です。

3つ目はファクトチェックを行うこと。
情報の真偽を確かめるためにはファクトチェックが重要となるので、信頼できるファクトチェック機関の情報や一次情報源を参照して、情報の裏付けを取りましょう。

4つ目は政府や企業へ協力を促すこと。
偽ニュースサイトへの対策には政府やソーシャルメディア企業の協力が不可欠となるので、法規制の強化、プラットフォーム上では偽情報対策や透明性の向上などを求める声を上げることができます。

5つ目は信頼できる情報を入手すること。
公共放送や大手新聞社など、信頼できる情報源から情報を入手するよう心がけ、また、複数の情報源を比較することで多角的な視点から情報を得ることができるのです。
いかがでしたでしょうか。
被害を防ぐためにも、リスクを理解し把握しておくことが何よりも重要となるので、増加し続ける偽ニュースサイトに騙されないように気を付けましょう。

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