日本ウェルリビング推進機構が難聴者の治療実態と生活に関する意識調査を実施

更新日:2024/03/06 15:24
2024年2月、一般社団法人日本ウェルリビング推進機構が3月3日「耳の日」を前に、難聴を自覚している全国の20歳〜60歳以上の男女618人を対象とした、「難聴者の治療実態と生活に関する意識調査」を実施。社会全体に対する啓発と理解を促進することを目的とした調査によって、様々な視点から判明した結果をご紹介します。

日本における難聴者数は1250万人、今後も増加の見込みである「難聴」

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2024年2月、『一般社団法人日本ウェルリビング推進機構』が、3月3日「耳の日」を前に、難聴を自覚している全国の20歳〜60歳以上の男女618人を対象とした、「難聴者の治療実態と生活に関する意識調査」を実施しました。

『日本ウェルリビング推進機構』は、個人のヘルスケアに留まらず、組織の意識・行動変容を通じて、より良い生活を実現することをビジョンとして掲げ、その一環として、現代社会において難聴が社会的な問題となりつつあることに着目。

難聴は単なる耳の機能の低下にとどまらず、生活の質や精神的健康に大きな影響を与えると考えられている中、その認知度や適切な対応がまだまだ不十分であるという課題が存在しているのだそう。

特に、日本における難聴者数は、超高齢社会を背景に1250万人※1と年々増加しており、解決すべき重要な社会問題となってることに加えて、難聴は早期に対処することで認知症のリスクを軽減できるという最新の研究結果も出ているそうです。

このような背景から、難聴者の治療に関する意識や現状を明らかにし、その結果を通じて、難聴者の方々やその家族、そして社会全体に対する啓発と理解を促進することを目的とし、その支援体制の構築に貢献するために、この調査を実施。

調査によって得られた知見は、今後、難聴者やその家族、医療機関や社会全体に対する啓発や理解を深めるだけでなく、より包括的な支援システムの構築にも役立つものと考えられています。

この意識調査によって、約6割以上の難聴者が、難聴が原因で日常生活でストレス・孤独感など大きな影響を受け、理解している難聴のリスクトップ3には、難聴との関連性が示唆されている「認知症」は入らないということなどが判明し、これらの結果を詳しくお伝えしていきます。

難聴のリスクと治療実態について

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今回、難聴に伴うリスクとして理解しているものを聞いたところ、第1位は「理解していない」(38.5%)、第2位に「社会的孤立」(37.7)%、そして第3位は「鬱」(36.4%)となり、最も多かった回答が「理解していない」と、難聴に伴うリスクを知らない方が多いことが明らかに。

次いで、「社会的孤立」「鬱」が続き、4位には最近の研究で、難聴との関連性が示唆されているという「認知症(34.8%)がランクイン。

これらの結果から、「認知症」のリスクについて一定の方が理解しているものの、トップ3にランクインしていないことから、難聴と認知症の関連性についての認識が不十分であることが明らかになりました。
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そして、難聴に関連して病院を受診したことがありますかと聞いたところ、「受診したことがある」が約7割(66.2%)、「受診したことはない」が約3割(33.8%)となり、約3割が難聴を自覚しているにも関わらず、病院を受診していないことが判明。
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また、年代別でも調査したところ、「受診したことはない」の回答を見てみると、20代が「35.7%」、30代が「30.9%」、40代が「31.7%」、50代が「28.9%」、60代が「40.8%」と、最も年齢が高い60代が病院を受診していない割合が高いことが判明。

年齢が上昇するにつれて、難聴のリスクが増加することが知られてるため、最も年齢が高い60代が、他の世代に比べて病院を受診していないという結果は、深刻な問題であることが浮き彫りになったと言えます。
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「受診をしたことはない」と回答した60代の方々に病院を受診しない理由を聞くと、第1位の50.0%の人が「難聴は加齢に伴う自然なものだから」、第2位の42.5%人が「生活に支障はないと考えているから」、そして、第3位の22.5%人が「受診は面倒くさいと感じたため」という回答結果に。

60代の受診率が低い主な理由は、 2人に1人が「歳を重ねると難聴になるのは自然なことだ」と考え、難聴を病気として重く捉えず治療の必要性を認識していないことが判明したそうです。

補聴器や人工内耳の利用率も低いという結果に

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現在、補聴器を装用しているか聞いたところ、「装用している」が約1割(10.2%)、「装用していない」が約9割(89.8%)となり、難聴者の補聴器の利用率が低いことも明らかに。

このことから、今後補聴器の利点や使用方法について、更なる適切な情報提供が望まれますね。
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さらに補聴器外来を受診したことがありますかと聞いたところ、 「受診したことはない」が約8割(75.1%)、「受診したことがある」が約2割(24.9%)と回答。

補聴器を必要とする人々が補聴器外来への受診に対する認識が低いことが明らかになり、多くの方が補聴器外来を訪れることの意義や恩恵について知識不足であるという課題が、この調査によって浮き彫りになりました。
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そして、現在、人工内耳を使用していますかと聞いたところ、90.8%の人が「検討、使用どちらもしていない」、8.1%の人が 「検討したことはあるが使用していない」と9割以上の方が人工内耳を使用していないと回答した一方で、「使用している」が1.1%となり、人工内耳の利用率が極めて低いことが判明。

また、 「使用していない(「検討、使用どちらもしていない」、「検討したことはあるが使用していない」と回答した方)」と回答した方に、なぜ人工内耳を使用しなかったのかを聞いたところ、約6割(59.6%)の人が「知らなかった」と、最も多い結果になりました。

これにより「知らなかった」という回答が最も多かったことから、人工内耳の利用率が低い原因には、難聴者に対する人工内耳の情報提供不足があると考えられます。

難聴が与える仕事・生活への影響については?

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難聴で耳が聞こえにくいことから、家族や周囲の人達に対して、迷惑を掛けていると感じますかと聞いたところ、約6割(59.1%)が「迷惑を掛けている」と回答。

難聴が原因で家族や周囲の人々に迷惑を掛けていると自覚している難聴者が多いことが判明しました。
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そして、耳が聞こえづらいことが仕事のパフォーマンスに影響を与えていると感じますかと聞いたところ、約7割(74.7%)が「影響を与えている」と回答し、難聴が原因で仕事のパフォーマンスに影響を与えていることも判明。
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さらに、難聴が原因で日常生活においてストレスや孤立感をより感じることがありますかと聞いたところ、約6割(59.7%)が「ストレスや孤独感を感じる」と回答し、難聴が原因でストレスや孤立感を感じている難聴者が多いことも分かりました。

難聴と認知症との関連性や、早期治療の重要性についての認識不足が明らかに

今回の調査結果について、愛知医科大学医学の耳鼻咽喉科・頭頸部外科、特任教授の内田育恵先生がコメントしています。

調査結果を通して、難聴が現代社会における重要な健康課題であることが再確認され、難聴は単なる聴力の低下にとどまらず、患者やその家族に精神的な負担を与え、社会参加の障壁となる可能性があるという結果になりました。

特に、今回の調査から、難聴と認知症との関連性や、早期治療の重要性についての認識不足が明らかに。

難聴と認知症の関連性について最近の研究では、難聴が認知症のリスク因子の一つであることが示唆され、音の刺激が脳の活動を促し、認知機能を維持することが知られており、難聴による聴覚刺激の不足は、認知機能の低下を招く可能性があるのだそう。

また、加齢性難聴の割合が高くなる60代は、他の年代に比べて、難聴があるにも関わらず、病院に受診しないことが判明するなど、年代別でも難聴治療における課題が浮き彫りになっているのも現状です。

そのため、難聴者のQOLを向上させるためには、早いタイミングでの医療機関への受診だけでなく、適切な治療を受けることが求められています。

調査結果の中で、補聴器や人工内耳といった治療法の利用率が低いことが明らかになった一方で、補聴器や人工内耳は、難聴の症状を改善し、難聴者の仕事、日常生活の質を向上させる有効な治療方法となっているのも事実。

私自身も、一人の医師として、難聴の早期発見と適切な治療を促進し、難聴患者がより豊かな生活を送ることができるよう、さらなる啓発活動や情報提供を積極的に行っていきます。

調査情報

「難聴者の治療実態と生活に関する意識調査」
実施時期:2024年1月31日(水) 〜 2024年2月02日(金)
調査手法:インターネット調査
調査対象:難聴を自覚している全国の20歳〜60歳以上の男女618人(男性347人、女性271人)
調査機関:マクロミル

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