ソニー損保は2021年に火災保険の契約した全国200人を対象に実態・動向調査を実施
更新日:2022/01/13 16:27
ソニー損保は、2021年に火災保険の契約を行った全国200人を対象にした実態・動向調査を実施。さらに、ファイナンシャルプランナーである清水香さんの解説する2022年の火災保険に関する予測も発表しました。
ソニー損保は2021年に火災保険の契約を行った全国200人への調査を実施
台風や豪雨などの自然災害の増加に伴い、支払われる保険金が増えているという背景から値上げが続いている火災保険料。
今回ソニー損保は、2021年に火災保険の契約(新規契約、乗換え、更新)を行った全国200人の持家家庭に対して、実態・動向調査を実施しました。
今回ソニー損保は、2021年に火災保険の契約(新規契約、乗換え、更新)を行った全国200人の持家家庭に対して、実態・動向調査を実施しました。
約4割が代理店型からの乗換え先としてダイレクト型に
現在加入している火災保険の形態を調査対象の200件の家庭に対して聞いたところ、約6割(62%)の人が代理店型に加入、約2割の人が共済型(18.5%)、約1割の人がダイレクト型(9.5%)の火災保険に加入しているということがわかりました。
その一方で、代理店型から異なる保険会社へ乗換えた人の中では、約4割(36.8%)もの人の乗り換え先がダイレクト型の火災保険でした。
断続的な保険料の値上りによって、ダイレクト型への移行が進んでいることが推察されます。
その一方で、代理店型から異なる保険会社へ乗換えた人の中では、約4割(36.8%)もの人の乗り換え先がダイレクト型の火災保険でした。
断続的な保険料の値上りによって、ダイレクト型への移行が進んでいることが推察されます。
火災保険に加入する際の検討事項は「保険料」と「補償金額」
現在の火災保険に加入する際に重視した点を聞いたところ、7割弱(66%)の人が「保険料」と回答。
次は「火災による建物の補償範囲、補償金額(37%)」、さらにその次には「地震保険の付帯、補償範囲、補償金額(31.5%)」がランクイン。
全体的に、保険料と補償金額に比重を置いて検討している傾向にあることが分かりました。
次は「火災による建物の補償範囲、補償金額(37%)」、さらにその次には「地震保険の付帯、補償範囲、補償金額(31.5%)」がランクイン。
全体的に、保険料と補償金額に比重を置いて検討している傾向にあることが分かりました。
地震による損害の補償を付帯した人は約8割
2021年に新たに契約した火災保険で加入している補償内容の設問において、火災保険の基本補償である火災や落雷による損害を除いた補償の中では、地震による損害の補償が84%という結果に。
日本の地震保険世帯加入率が27年連続増加(※)していることからも、地震への危機意識が高まっていることが分かりますね。
また、上位3つの補償範囲を自然災害による損害の補償が占めており、近年の自然災害の増加をうけた防災への意識の高まりが反映されていると考えられます。
日本の地震保険世帯加入率が27年連続増加(※)していることからも、地震への危機意識が高まっていることが分かりますね。
また、上位3つの補償範囲を自然災害による損害の補償が占めており、近年の自然災害の増加をうけた防災への意識の高まりが反映されていると考えられます。
火災保険更新通知を受けそのまま契約する受動的な加入傾向
今年新たに火災保険に加入した人に加入年数を聞いたところ、5年契約が約3割である29%、次に1年契約が24%、10年契約が15.5%という結果に。
また、今回火災保険を乗換えまたは更新した人のうち、満期を待たずに新たな火災保険に契約した人は17%以上と、約5人に1人が保険契約が終了する前に新たな契約を結んでいることが判明しました。
加えて、現在の火災保険加入時の行動として、約半数(50.5%)は更新通知を受けて、そのまま更新していることが調査の結果判明し、受動的に加入している傾向が見受けられます。
また、今回火災保険を乗換えまたは更新した人のうち、満期を待たずに新たな火災保険に契約した人は17%以上と、約5人に1人が保険契約が終了する前に新たな契約を結んでいることが判明しました。
加えて、現在の火災保険加入時の行動として、約半数(50.5%)は更新通知を受けて、そのまま更新していることが調査の結果判明し、受動的に加入している傾向が見受けられます。
2022年の保険料値上げを知る人の半数以上が新規加入や見直しを検討
2022年を目処に保険料が値上げされることを知っていた人は、全体の約4割(38%)。
また、参考純率や最長契約期間の短縮をどちらかでも知っていた人の半数以上(55%)が、火災保険の新規加入や見直しをするきっかけの一つになったと回答しており、やはり火災保険料の値上りが火災保険の見直しなどに影響を与えていることがわかります。
また、参考純率や最長契約期間の短縮をどちらかでも知っていた人の半数以上(55%)が、火災保険の新規加入や見直しをするきっかけの一つになったと回答しており、やはり火災保険料の値上りが火災保険の見直しなどに影響を与えていることがわかります。
代理店型加入者では約16%の節約の可能性も
今回の調査によって、新規契約・更新した人の平均年間保険料29,414円に比べて、保険会社を乗換えた人の平均年間保険料は23,575円と、約20%ほど安くなっていることが判明しました。
この結果から、火災保険を乗換えている人の方が、乗換え時に補償範囲など火災保険のプランを見直したことなどで、保険料が安くなっているのではないかと推察されます。
また、調査内で代理店型の火災保険を契約している人に対して、ソニー損保の新ネット火災保険のウェブサイトで現在加入している保険と同じ条件で見積りシミュレーションを行ったところ、保険料は現在加入している火災保険より平均して約16%の節約可能性があることがわかりました。
この結果から、火災保険を乗換えている人の方が、乗換え時に補償範囲など火災保険のプランを見直したことなどで、保険料が安くなっているのではないかと推察されます。
また、調査内で代理店型の火災保険を契約している人に対して、ソニー損保の新ネット火災保険のウェブサイトで現在加入している保険と同じ条件で見積りシミュレーションを行ったところ、保険料は現在加入している火災保険より平均して約16%の節約可能性があることがわかりました。
調査概要
ソニー損保 火災保険に関する調査
調査対象者:持ち家世帯のうち2021年1月1日~10月31日の期間に火災保険の契約を行った人
サンプル数:200名
調査方法:インターネット調査 調査期間:2021年11月24日〜11月25日
調査対象者:持ち家世帯のうち2021年1月1日~10月31日の期間に火災保険の契約を行った人
サンプル数:200名
調査方法:インターネット調査 調査期間:2021年11月24日〜11月25日
ファイナンシャルプランナー・清水 香さんによる解説
住宅購入等のタイミングで火災保険の加入を求められ、多くの人は勧められるまま加入に至るようです。契約更新時も、約半数がそのまま契約継続に至るという当該調査の結果から、火災保険の加入は住まいに関する一連の“手続き”として、受動的に行われる実態があります。
他方、代理店型からダイレクト型火災保険への乗換えが4割となり、火災保険をカスタマイズして、主体的に選択する層が出てきました。新たな選択肢としてダイレクト型火災保険の認知が進んでいます。また、多くの新規加入者が地震や風水災の補償を選択しており、火災保険で自然災害に備える意識の向上が確認できます。
契約時には保険料が重視されていますが、同時に、居住地の災害リスクを踏まえた適切な補償選択が火災保険では不可欠です。というのも、火災保険の水災付帯率は2009年以降の10年で10%以上減少しており、ハザードマップ上の浸水予測が3m未満の木造住宅の減少幅がとりわけ大きくなっています(※)。浸水深が浅くても床上浸水の被害は甚大です。補償のミスマッチは被災時の家計には大きな打撃で、補償選択にはより慎重さが求められます。
※ 損害保険料率算出機構資料
2014年以降、参考純率は4回改定されましたが、背景に世界中で災害を引き起こしている急激な気候変動があります。ICPP(気候変動に関する政府間パネル)によれば、2040年までに平均気温が1.5度上昇する可能性は非常に高く、10年に1度の大雨が降る頻度は産業革命前の1.5倍と見込まれます(2021年第6次報告書)。
こうした理由から、火災保険料は引き上げ傾向にあるとみられますが、地域や建物構造により下がるケースもあります。つまり、立地等のリスク状況が、負担する火災保険料の大きな決定要因になるということです。近年は、立地や物件のリスクがより料率に反映される傾向で、保険料較差が今後より広がる可能性もあり、わが家の場合はどうか、注視が必要です。
他方、代理店型からダイレクト型火災保険への乗換えが4割となり、火災保険をカスタマイズして、主体的に選択する層が出てきました。新たな選択肢としてダイレクト型火災保険の認知が進んでいます。また、多くの新規加入者が地震や風水災の補償を選択しており、火災保険で自然災害に備える意識の向上が確認できます。
契約時には保険料が重視されていますが、同時に、居住地の災害リスクを踏まえた適切な補償選択が火災保険では不可欠です。というのも、火災保険の水災付帯率は2009年以降の10年で10%以上減少しており、ハザードマップ上の浸水予測が3m未満の木造住宅の減少幅がとりわけ大きくなっています(※)。浸水深が浅くても床上浸水の被害は甚大です。補償のミスマッチは被災時の家計には大きな打撃で、補償選択にはより慎重さが求められます。
※ 損害保険料率算出機構資料
2014年以降、参考純率は4回改定されましたが、背景に世界中で災害を引き起こしている急激な気候変動があります。ICPP(気候変動に関する政府間パネル)によれば、2040年までに平均気温が1.5度上昇する可能性は非常に高く、10年に1度の大雨が降る頻度は産業革命前の1.5倍と見込まれます(2021年第6次報告書)。
こうした理由から、火災保険料は引き上げ傾向にあるとみられますが、地域や建物構造により下がるケースもあります。つまり、立地等のリスク状況が、負担する火災保険料の大きな決定要因になるということです。近年は、立地や物件のリスクがより料率に反映される傾向で、保険料較差が今後より広がる可能性もあり、わが家の場合はどうか、注視が必要です。