【レポ】元サッカー日本代表の中澤佑二が呼吸法の魅力を力説！「坐禅」イベントに登場

全国に約15000カ寺の寺院と1200万人の檀信徒を有する曹洞宗。2024年は「曹洞宗大本山總持寺太祖 瑩山禅師700回大遠忌」の年ということで、昨年から全国7カ所を巡る体験型イベント「總持寺 世界禅Challenge - Zen in One -」を実施してきました。

本イベントは、人種や性別、年齢や国籍、宗教や宗派を超え、「坐禅」を通して全員が一つになるという思いを込めた “Zen in One” をテーマとしたプロジェクトで、最終日には日本全８カ所と世界全4カ所を中継でつなぐ、世界最大規模となる「坐禅」イベントとして、20分間に及ぶ祈祷や40分間の坐禅体験が行われました。

会場には、ゲストとして脳生理学者の有田秀穂さん、ディジュリドゥ奏者・画家のGOMAさん、そして元サッカー日本代表の中澤佑二さんの3人が出席。お寺・仏像研究家＆お笑いタレントのみほとけさんをMCに、坐禅体験をした3人が坐禅に関する「禅Talk」を繰り広げました。

冒頭ではGOMAさんが自身の楽器・ディジュリドゥを披露。世界最古の管楽器だそうで、シロアリに食われて筒状になったユーカリの木から自然にできたものだと紹介すると、独特な重低音の音色を響かせ、会場を盛り上げました。

トークコーナーでは、「瑩山禅師とわたしたちの700年」というテーマで、鈴木老師から真実を伝えられるのは坐禅だけだという考え方を教えられると、中澤さんは「坐禅に対する見方が変わりました。坐禅の歴史を分かった上でやると自分のためになるなと、勉強になりました」と感慨深げに語りました。

そんな中澤さんは、横浜F・マリノス時代に毎年祈祷に来ていたことを明かし「岡田武史監督が先導してシーズンの始まる前にチームの必勝祈願をしていたんですけど、おかげさまで2年連続優勝することができました」とご利益があったことを感謝していました。

続いて、坐禅は体、呼吸、心を整えるという話に移ると、有田さんは知り合いのフリーダイバーや野球選手を例に挙げ、「恐怖と不安に打ち勝つために、呼吸法をしっかりとやると、心を整えてくれるそうなんです」と体と呼吸と心には密接な関係があることを力説。

すると中澤さんも「緊張をする場面でより冷静な判断をするためには、呼吸の仕方に気を使っている選手は多いです。昔はトレーニングだけやっていれば良い記録が残せると言われていましたが、食事、睡眠と増えてきて、今は脳のトレーニングとして呼吸法を取り入れている方がいます」と、呼吸法が重要なトレーニングとして普及してきていることを明かしました。

また、日常生活で禅的な生活を入れているか聞かれたGOMAさんは、「僕は10年前の事故がきっかけで瞑想とかするようになって、そのうち1回やりだすとやらないと気持ち悪くなりました」とルーティン化していることを口にするなど、禅を取り入れる素晴らしさを語っていました。

トークイベントの最後に、中澤さんは「僕自身初めての坐禅だったんですけど、自分の中でイメージが変わりましたし、坐禅をしている最中に耳がよくなって、いろんな物事に対して皮膚がピリピリするような感じがありましたし、敏感になっている自分がいて新しい発見がありました」と、坐禅をした率直な感想をコメント。

一方、GOMAさんは「今年の頭に坐禅を体験したんですけど、すごく気持ちよくて、それ以来自分を整えるツールとして禅の考え方を取り入れて制作してきました」と自身の活動に影響を与えていることを語ると、有田さんは「いま、スマホもパソコンもデジタル時代なんですけど、昨年IT企業のカリスマ経営者と対談したことがあって、その方が今の時代に自分の体を整える方法として呼吸法を取り入れていることを話していました。生きていく切り札として、禅は時代に合った一つの方法なのかなと思います」と話し、イベントは終了しました。

◆取材・文・撮影＝永田正雄